生徒に求められるスキルとは|先生と賢く付き合うための11の実践的なアドバイス

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生徒に求められるスキルとは|先生と賢く付き合うための11の実践的なアドバイス

SALLY KEMPTON
SALLY KEMPTON
2018-03-29

4.首尾一貫したアプローチを守ろう

1人の先生に3つの領域すべての専門性を求めず、アーサナを1人の先生に、瞑想は別の先生に、教典は3人目の先生について学んでもかまわない。けれども、とりわけプラクティスの初期の段階では、それぞれの先生の教えが矛盾し合わないことが重要だ。たとえば、1人の先生がパタンジャリの八支則の熱心な実践者であり、別の先生がタントラの教えに献身的に取り組んでいるとしたら、矛盾し合うように感じられる意見を聞き、指導を受けることになってしまう。混乱することなく異なったアプローチを結びつけ、一つのものにするためには多くの経験が必要だ。そのために昔の生徒への「決まりごと」の一つに、1人の先生だけに忠誠心を持つ、という項目があった。つまり、先生と約束を交わしたあとには、許可なしにほかの先生のところには行ってはならなかったのだ。理由は単純で、どんな先生にも独自のスタイルがあり、先生同士の間で意見が異なることがあるからだ。それは現代でも同様で、補助的に別のところで学ぶと決めたら、それぞれの教えが矛盾しないものであることを先生に確認しよう。さもないと、どんなシークエンスを練習するべきか、あるいは、その教えの何を信じていいのかさえも分からなくなってしまう可能性がある。

5.自己投影に気をつけよう

教えを吸収するための鍵は、その教えや先生に敬意を持つことだ。生徒として先生を敬う気持ちは、傲慢さや、未熟な段階で教えを習得したという思い込みから自分を守ってくれる。同時に、先生を美化したり、理想の存在に仕立て上げたりしないことも大切だ。誰かを理想的存在にしてしまうと、後々きっと失望することになる。また、理想化したイメージが強くなりすぎると、失望を感じたときに先生との人間関係が崩れ、プラクティスへの志までをも失いかねない。生徒と先生の関係において、もっとも厄介な問題は、西洋心理学では「感情転移」と呼ばれるが、自分の感情を他人に投影するという、人間の持つ性質である。
生徒は、本来持っているはずの自分の持つ優れた性質を、先生の中に求めようとする。それは、私たちのほとんどが、自分の内にある強さや智慧を完全に自分のものとすることができず、それを「運んで」くれる誰かを探すからだ。そして、そういった性質を持つその人を、理想的な存在として見るわけだ。当然、自分が意識していない弱さを先生に投影してしまうという、逆のパターンもある。そこで自分が作り上げた理想的な存在としてふさわしくない、先生の人間的な弱点や失敗を目にすると、今度は態度を完全にひるがえし、先生を悪者扱いするようになる。インターネットには、先生に対して持っていた幻想から醒めて失望した生徒が書いた怒りや苛立ち、時には、驚くほど攻撃的な書き込みがあふれている。なかには正当なものもあるが、そのほとんどが、自分の育てられ方や、十分に認められたり励まされたりしなかったことからくる気持ちなど、自分がきちんと向き合えていない、個人的な問題を映し出したものなのだ。これは非常に厄介な問題だ。内なる強さや智慧、あるいは弱さといったこと以外にも、自分の心の中にある愛や認められたいという気持ちも先生の中に求めてしまい、真剣な恋心を抱くまで想いを募らせることがある。これは、先生がカリスマ性を持つ場合はとくに、経験を積んだ生徒にさえみられることだ。そして、先生が不注意だったり、恋に落ちやすかったり、人を巧みに操ったりするタイプだったりすると、生徒の人生が変わったり、台無しになったりさえするような情愛のもつれへとつながっていく。もし先生に恋心を抱いていると思ったら、ちょっとした問いを自分に投げかけてみよう。「今感じている気持ちは、本当に先生に対してのもの? それとも、ヨガのプラクティスがもたらした結果?ヨガのエネルギーによって、これまで感じたことのない自分に対する愛を感じているの?」と。自分への問いかけは、自己投影を抑制し、内側の気持ちが流れる方向の修正もしてくれる。その結果、外の世界で問題を生み出すことなく、プラクティスに味わいが加えられるのだ。

6.自分に正直になろう

ここで取り上げている、自己への問いかけが生み出す自分の傾向への洞察は、ヨガのプラクティスがもたらすすばらしい贈り物の一つだ。たとえば、教えてもらう、という状況によって内側に葛藤が生まれ、先生の持つ権威にどうしても抗おうとしてしまったり、表だってあらわれてこない、他者から認められたいという執拗な気持ちが動き出したりする。あるいは、先生を喜ばせたいと思うがあまり、自分が実際何を感じているのかを確認することを忘れてしまうときもある。こういう場合は、少し抗うくらいのほうがいいのだ。私は、先生の気持ちを傷つけるのを恐れるがため、アジャストのあとにポーズが深まったかどうかを聞かれると、たとえそうでなくてもイエスと答えるという生徒の話を聞いたことがある。だが、実際の経験をありのままに伝えたほうが、先生もより深く自分自身を知ることができ、本当の意味で助けとなる指導をしてくれるものだ。

Translated by Yuko Altwasser
yoga Journal日本版Vol.33掲載

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