【老けない食べ方】鶏肉・豚肉・牛肉…老化を止めてくれるのは?糖尿病専門医に聞いた
お肉の持つ本当のパワーと最適な食べ方とは?
筋肉を増やすために、とにかく「鶏肉」。疲れた時には、やっぱり「豚肉」。赤身肉ダイエットなら、絶対「牛肉」。など、確かな裏付け情報はないものの、お肉にはそれぞれ漠然としたイメージがついています。そこで、『20万人を診た老化物質「AGE」の専門医が教える 老化をとめる本』(フォレスト出版)の著者で、糖尿病などの生活習慣病に詳しい牧田善二医師に、お肉の持つ本当のパワーと最適な食べ方について教えてもらいました。
老化防止なら断然、豚肉!
「豚肉には、ビタミンB群が豊富です。なかでもB1とB6には強い『抗AGE力』があり、全身の糖化を抑制して老化防止をしますので、アンチエイジングにはもってこいの食材です」(牧田医師)
「抗AGE力」とは……最近の研究で老化の原因が「AGE(終末糖化産物)」であることがわかりました。AGEは、糖質とタンパク質の異常な組み合わせから生まれる成分。この成分が老化を引き起こし、体にさまざまな悪影響をもたらします。「抗AGE力」は、そのAGEを跳ね除けるパワーのこと。
豚肉の食べ方のポイント
・脂身には飽和脂肪酸が多く含まれているため、取り除くか下茹でをして減らしましょう。
・ビタミンB1は水に溶けやすく、体内にストックできないので、毎日少しずつ定期的に摂るようにしましょう。
牛肉はたんぱく質やビタミンが豊富!
「牛肉には、体内でつくれない必須アミノ酸が8種類含まれています。これらは、筋肉や血液をつくり、体内の組織が正常に再生される手助けをします。なかでも注目したいのがレバー。強い抗AGE力を持つ、ビタミンB6が豊富に含まれています」(牧田医師)
ただ1点だけ注意が。牛肉は大腸がん発症に関わっていると言われています。
「私は牛肉そのものより、餌などの生育環境に問題があると考えています。そのため、産地に気を配り食べるようにしてください」(牧田医師)
牛肉の食べ方のポイント
・ステーキの場合は焼きすぎに注意、できればレアで。
・すき焼きよりもしゃぶしゃぶの方が、AGEを減らせます。
・調理前に酢やレモンをかけると、AGEを減らせます。
・甘い味付けばできるだけ避けましょう。
疲労回復なら、鶏肉!
「鶏肉には、疲労回復効果のあるカルノシンが含まれているため、運動能力の維持にも効果的です。カルノシンには抗酸化作用があり、酸化したタンパク質が体内に蓄積される前に、分解排出されるよう促します。ビタミンAやB6も豊富で、毎日摂ることで、ウイルスや菌から体を守り、老化を防ぐことができるのです」(牧田医師)
鶏肉の食べ方のポイント
・鶏皮には血液サラサラ成分が豊富、捨てずに食べましょう。
・むね肉は低温調理すると、柔らかくなり、AGEの量を抑制できます。
・水に溶ける栄養成分が多いので、茹でるときは汁ごと食べましょう。
調理法にも気をつけて!
今までその日気分で食べていたお肉も、栄養素や効果などを考えてメニューを作ると、老けない体が作れそうです。
そのとき、どの種類のお肉も避けた方がいい調理法が「直火で高温・揚げる」こと!
「老化の元凶、AGEは調理法によって大量発生します。どの食材も【生<煮る<蒸す<焼く<揚げる】この順番でAGEが増加することを覚えておきましょう。お肉の場合、こんがりとした焼き色は、AGE過多のサイン。老化をとめたいなら、調理法にもこだわりましょう」(牧田医師)
教えてくれたのは……牧田善二先生
医学博士。糖尿病などの生活習慣病を扱う専門クリニック「AGE牧田クリニック」院長。世界アンチエイジング学会に所属し、エイジングケアやダイエットの分野でも活躍。これまでに、延べ20万人以上の患者を診察。著書に『20万人を診た老化物質「AGE」の専門医が教える 老化をとめる本』(フォレスト出版)がある。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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