「タスクはたくさんあるのに時間がない…」完璧主義の呪縛を楽にする4つの考え方|臨床心理士が解説
「どうせやるなら完璧にやりたい」「人に負けたくない」と感じていませんか?
「どうせやるなら完璧にやりたい」「人に負けたくない」と感じていませんか?「周囲から完璧主義だと言われる」「予定をたくさん詰めて、常に何かに取り組んでしまう」「ゆったりしたり、リラックスすることが苦手」…いかがでしょうか、当てはまることはありますか?毎日忙しく頑張っているものの、日々の生活で不満足感や足りない感じがしているなら、今回の記事を参考にしてみてください。
毎日日々のタスクをこなすことで一杯一杯になっていませんか?やることはたくさんあるのに時間が足りなくてイライラしたり、タスクの量に圧倒されて本当に終わらせるのか不安になることもあるでしょう。ストレス解消法で始めたヨガもいつの間にかタスクの一つになっているなど、心から楽しいと感じられないことはありませんか?あなたは、どうして頑張り続けているのでしょうか。毎日がタスクをこなす日々でどこか満たされない虚しさを感じているのなら、「完璧主義」について考えてみてもよいかもしれませんね。
あなたの完璧主義はどこから?
完璧主義はどこから来たのかルーツを探りましょう。あなたが子供の頃に、身近な大人が完璧主義だったため、高い目標を持つことが「普通」の環境だったのでしょうか。それとも、何か得意なことがあり、高い結果を出すことを期待されて育ったのでしょうか。テストで100点を取った時など、高い目標を達成できた時だけ周囲から認めてもらえたのでしょうか。
「自己肯定感」は、ありのままの自分を認めることです。ありのままの自分を認めるためには、他者からありのままの自分を認めてもらった体験が大切になります。目標を達成した時だけ承認されるような「条件付き承認」を受けてきて、自己肯定感が育っていない可能性はあるでしょうか。ありのままの自分を認められず、頑張り続けることで自分を認めようとしてるのではないでしょうか。
完璧主義のメリットやデメリットを整理する
完璧主義でいることの、メリットとデメリットを整理してみましょう。例えば、以下のように書き出してみましょう。
メリット:目標を達成したり結果を残せたりする、頑張っている感や充実感がある、人から褒められる、目の前のことに集中するので余計なことを考えない
デメリット:心身ともに疲れる、身体の不調感がある、イライラしやすい、気持ちの余裕がない、頑張っていない他者にイライラする、趣味の時間が取れない、いつまでも自分に満足できない
「そこそこの自分」をイメージする
完璧な状態ではなく、まったくダメな状態ではなく、そこそこの自分を想像してみましょう。完璧主義な人は白黒思考になりやすいものです。白か黒、0か100かで考えずに、その間の60-80%くらいである、グレーな部分をイメージしてみましょう。そこそこの仕上がり、そこそこの頑張りなど、そこそこでやった場合はどのような感じか想像してみましょう。そこそこの自分でいた時は、どのような気分になりそうですか。自分に対して「そこそこでいいよ」「ほどほどでいいよ」と声をかけるとどのような感じがするしょうか。完璧でないことを受け入れられると、気持ちがホッとしたり、体の力が抜けることを感じるかもしれませんね。
身体の声を優先する
他者から「目標が高すぎる」「もっと力を抜いたら」と言われても、なかなかそう思えないかもしれません。もちろん他者の意見も参考になりますが、まずは自分の体の声を聞きましょう。「やるべきこと」「高い目標」ばかりに気をとられていると、素直な気持ち、素直な想いに気づけなくなります。頭で「やらなきゃ」と思っていても、お腹を壊したり、強い疲労を感じたり、身体が拒否をしている時は、体の声を優先してみましょう。
もちろん、時には頑張ることも大切ですが、穏やかに生活することも大切です。今までの人生を振り返った時に「良い人生だった」と感じられるように、多すぎるものを手放し、バランスの良い生活を取り戻していきましょう。
AUTHOR
石上友梨
大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。
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