「フードエンパス」を知っていますか?|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
皆さん、こんにちは。今年の6月11日は、七十二候では「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる」といいます。昔は、青々とした草が枯れてやがて腐りそれがホタルとなるのだ、と信じられていたそうです。すてきな想像力ですね。
豊かな自然のある場所では、草の中からホタルが飛び立ち、暗闇に美しく光輝く頃です。私は緑の少ない都会の真ん中に暮らしていますが、先日ふと近所の神社の境内をのぞいてみると、沢山のホタルが静かな光を放ちながら飛んでいました。思わず時間を忘れ、ぼーっと見入ってしまいました。きっと遠くへ外出できない近隣住民のことを思って気を利かせてくれた神主さんが、夜空にホタルを放ってくれたのでしょう。
さて、ホタルから話は飛びますが、今日は皆さんとシェアしたいと思っていた内容についてお話します。皆さんは、”エンパス”という言葉を聞いたことがあるでしょうか?エンパスはひと言でいえば、「共感力が非常に強い人たちのこと」(引用:「LAの人気精神科医が教える共感力が強すぎて疲れてしまうがなくなる本」ジュディ・オルロフ著/桜田直美訳)です。
サイコパスの真逆、といえばやや分かりやすいでしょうか。共感力があまりに高いために、他者の感情や身体的な症状までも引き受けてしまうような繊細な感覚を持った人達のことをさします。今ではこういった人が5人に1人はいるといわれているそう。HSP(ハイリ―・センシティブ・パーソン)=感受性が非常に強く敏感な気質を持つ人、という言葉も最近少しづつ色んなところで聞くようになってきましたが、エンパスも大きく分ければ似たような性質だと思います。
フードエンパスとストレス
今回注目したいのは、エンパスのひとつの特徴でもある”フードエンパス”=食べものに関連するエンパス症状のこと。なぜこれを取り上げるかというと、特徴の大きなひとつとして「過食してしまいがち」というものがあるからです。その理由としてあげられるのはまずストレスであると言われています。私自身この性質を持っているのでよく分かるのですが、どうも現代を生きる私たちにとってストレスと食事の関係性は思っている以上に深いものであるようです。
フードエンパスの場合、ストレスによる過食は体に蓄積したネガティブなエネルギーを体の外へ出すためにする行為、と言われます。エンパスは他者や周りのエネルギーを体に入れすぎてしまう傾向があるため、持て余してしまったネガティブなエネルギーをどうにか体外へ出す方法として、沢山食べることで体を掃除しようとしている、という感じでしょうか。そのため、お腹も空いていないのに無意識に食べてしまいがち。ネガティブなエネルギーから自分を守ろうとする、そのための手段としてつい食べてしまうということです。
食べ物もエネルギーである
エンパスは神経がとても繊細で、まわりのできごとや他人の行動、エネルギーに強く反応します。食べ物もエネルギーなので、その食べ物が体に与える影響をエンパスは常に敏感に感じ取っているのだと思います。たとえばストレスを感じた時、ついジャンクフードや糖分、炭水化物をどか食いしてしまう。でもそういったものを食べたあとは決まって頭が重たくなったり、体がだるくなったりして、次の日もずっと体調が悪い。そんなことがあると思います。フードエンパスの傾向がある人は特に、自分の体にとってポジティブな影響を与えてくれるる食べ物を、正しく摂る習慣づくりが大切ですね。
AUTHOR
関根愛
俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。
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