【30代、なぜしんどい?】30代が陥りやすい"人生の危機"への対処法とは


30代をうまく乗り切っていくために
エリクソンによると、親密性という課題を達成するためには、相手とどんなに近しい関係になっても『自分を見失わないでいる』ということが大切なのだそうです。つまり、30代を乗り切っていくためには、【自分という存在への理解をどれだけできているか】が鍵となります。自己理解ができていない状態では、自分を失うことへの恐怖に支配されるために、他者と表面的な付き合いしかできない、積極的に関わることができないといった問題が生じ、孤独を感じやすくなります。こういった状態を抜けていくためには、今いる発達段階のひとつ前のステージに戻ること。先に紹介したエリクソンの心理社会的発達理論ですが、初期成人期の前の段階を【青年期】と言います。青年期の心理的な課題はアイデンティティ(自我同一性)の確立です。アイデンティティとは【自分らしさ】を現す概念で、アイデンティティ確立のためには、自分を客観視し、自分の本質や他者との違いを知ることが大切だとされています。もしこの記事を読んでいるあなたが人とのつながりや結びつきに悩んでいるのだとしたら、自分のアイデンティティを見直す必要があるのかもしれません。
自己理解を深めるためにできること
自分のこれまでを振り返ってみる
今うまくいかなさを感じているのだとしたら、原因となる物や出来事があるはず。そういったものを振り返り、これまでとは違う対応法を考えていくいことが大切です。紙に書き出してみても良いし、一人で行うことに不安や抵抗感がある方はカウンセラーとともに振り返ってみるのもよいと思います。

自分の考え、感じ方、想いに耳を傾ける
普段から相手の想いや意見を優先している傾向がある人は、『自分はどう思う?どう考える?』など自分自身と対話することを積極的にやってみてほしいです。例えば『好きか嫌いか』『受け入れられるか受け入れられないか』など2択で答えられるような分かりやすい問いからやってみましょう。慣れてきたら、『自分だったらどう思う?』『今どんな感情でいる?』など徐々に抽象的な問いを行っていきます。そうやって自問自答を繰り返すと自分の取扱説明書ができます。こうしたプロセスを心理学ではセルフ・アウェアネスと呼びますが、自分の長所や短所、こんな時にこんな想いを抱きやすいといった自分に対する特徴に気づき理解することが、結果的に他者とのコミュニケーションにも良い影響を与えると言われていますよ。

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