米スタンフォード大学の心理学者が語る|誘惑に負けて後悔するループから抜け出す4つのステップ
マクゴニガルは、これらの力がどのように働き合って恩恵をもたらすのか、例をあげて説明している。「例えば、今年はストレスとうまく折り合うことを目標にしたとします。そして、週2回、仕事帰りにヨガのクラスに通うと誓います。でも仕事が終わると、くたくたで、イライラしていて、お腹がすいていますよね」
欲望と嫌悪という、相反する本能をつかさどる原始脳である中脳が望むことは、食べ物をテイクアウトし、ソファとリモコンが待つ我が家にまっすぐ帰ることだ。「意志力があるからこそ、中脳が発するメッセージに気づくことができ、本質的にそれらを抑えることができるのです」とマクゴニガルは説明する。
「『望む力』は、ヨガクラスのあとの気持ちよさや、そもそもなぜクラスに出ようと誓ったのかを思い出させてくれます。『やらない力』は、ジャンクフードやソファを拒絶するように助けてくれます。そして、『やる力』が、スタジオに向かわせ、練習のスペースを見つけ、服を着替え、マットを広げさせてくれるのです」
意志力はトレーニングで身につけられる
これまでなかなか自分の行動を変えられず、結局はフラストレーションと挫折感でタオルを投げていた人たちに朗報がある。実践とトレーニングを積めば、これら3つの力を強化し、意志力を高めることができるのだ。「意志力という筋肉を意識的に使うほど、それは強くなります」とマクゴニガルは言う。「目標に沿った選択をするたびに、脳の選択力が向上することが脳科学で証明されています。正しく練習すれば、脳も体と同じように鍛えられるのです」
マクゴニガルは、練習で重要な4つのステップをあげている。それは、
1.真の望みを知ること
2.小さなことから始めること
3.困難を認識すること
4.達成感を得ること
この4つだ。各ステップでは、望まないことに単に「ノー」と言うだけでなく、自分が望むことにはっきり「イエス」と言うことも必然的に学ぶことにもなり、最も理想とする自分自身を反映し、その支えとなる生き方をつくり出すのだ。
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