【40代女性の"なんとなく不調"】気になって調べても不安が消えないあなたが身につけるべき知識は
女性ホルモンの基礎知識をつけておこう
更年期の不調は女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの減少によるものです。不調を感じる人もそうでない人も、これを機会に女性ホルモンに関する基礎的なことを学べる本で知識をつけると今後の健康管理に役立ちます。ポイントはエストロゲンがどんな役割をしているのか、生まれてから死ぬまでどのように変化するのか。年代問わず女性なら知っておくべき体の基礎知識。私はメノポーズカウンセラーの勉強をするまでは、女性ホルモンについて全く知識がなかったので、まずはエストロゲンの多岐にわたる役割のすごさに衝撃を受けました。少々知っている方には大袈裟と思われるかもしれませんが、エストロゲンは生殖のために子宮内膜を厚くするためだけではなく、血管、骨、脂質代謝、乳房、皮膚や粘膜の潤いや弾力、記憶、脳神経系など私たちの体のあちこちに作用し、健康を支えているホルモンとわかったのです。生殖機能がある期間は、病気にかかりにくい体を保ってくれているのです。
こんな重要な役割があるのに閉経後エストロゲンの支えがなくなるということに愕然としませんか。多様な作用から婦人科と連想しない関節痛、不眠、湿疹などの症状もあり、婦人科以外の病院を次から次へと変えるドクターショッピングになることもあります。他に注意したいのは骨量。閉経後、がくんと下がることがあり、そのままにすると骨粗しょう症を起こすことがあります。エストロゲンの役割を知ることで関連する女性特有の病気や不調の理解も深まります。エストロゲンのことを知らずに普段通りに過ごすのか、この支えがなくなるリスクを理解し健康管理をして毎日を送るかで、未来が変わるかもしれません。
美容でも食品でも、それらの広告の多くには"女性ホルモン"という文字が踊り謳われているため、少々ウンザリしている人もいるかもしれません。でもその背景には、それほどにエストロゲンが女性の健康に大きな役割を果たしているという事実があるからと想像できます。しかし知識が不足していると、誤った情報に振り回され余計なお金を使ってしまったり、誤った解釈をすると閉経以降の健康を左右しかねません。エストロゲンについて学ぶことは、健康維持にどうすればいいか考えて行動できるヘルスリテラシーを高めてくれるのです。
病院に行くほどの不調ではないと感じても、更年期以降に起きやすい甲状腺機能異常、関節リウマチや子宮がんなどの病気のときもあります。自己判断は禁物、まずは婦人科で診察をしてから、ゆっくりエストロゲンの基礎知識を学び健康管理のためにヘルスリテラシーを高めてください。
AUTHOR
小林ひろみ
メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。日本性科学会会員。性と健康を考える女性専門家の会 理事。デリケートゾーンブランドYourSide、潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛について情報発信を行う。幅広い性交時の痛みに関する情報サイト「Fuan Free (ふあんふりー)」を運営。
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