周りが気になる、意見が言えないetc.普段から生きづらさを感じるあなたに贈る4つのこと

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南 舞
南 舞
2020-09-27
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アダルトチルドレンが回復していく方法とは?

アダルトチルドレンという概念を生み出した、クラウディア・ブラックは、アダルトチルドレンが回復していくプロセスを4段階で定義しています。それを基にアダルトチルドレンからの回復方法を見ていきましょう。

ステップ1 過去を探る

子ども時代に深い傷つき体験をしているにもかかわらず、自分が傷ついた自覚もないまま成人していることがアダルトチルドレンの特徴。心の中の嘆きや感情を表現することは、自分が傷ついていたことを認識し、本当の自分を見つめ直すきっかけとなります。忘れて欲しくないのは、これは親を責めることとは違い、あくまで自分自身のための作業だということ。やり方としては、出さないつもりの手紙を親に向けて書く、自助グループなどの治療の場を活用する、信頼できる相手に話を聞いてもらうなど。自分を受け入れてもらえる安全な場で行ないましょう。

ステップ2 過去と現在をつなげる

過去が現在の自己イメージにどう影響しているか、人間関係にどう影響しているか、職場での私・親としての私にどう影響しているかなどを観察していきます。これは現在と過去をつないでいく作業。それを繰り返すことで、自分の中にある課題への気づき、あるいは過去や自分自身に対して違った見方ができるようになります。

ステップ3 自分の中にとりこんだ信念に挑む

物事の受け止め方や考え方に一定の癖がついている場合が多いので、過去に取りこんだ「私は○○だ」「○○すべき」「○○であるべき」といった考え方やルールを一旦手放し、別の考え方やルールに置き換える作業をしていきましょう。例えば、
「他人の要求には応えなければいけない」→「どうするかは自分で決めていい」
「マイナスの感情はなくすべき」→「感情は自然にわいてくるもの。良い・悪いのジャッジはしなくていい。」

新しい考え方やルールを採用することにより、感情や気分、行動に変化が現れていくかもしれません。

ステップ4 新しいスキル(生きるうえでの技能)を学ぶ

自己表現の仕方に問題を抱えている場合が多いため、ステップ3で得られた別の考え方やルールのもとで生きていけるように、新しいスキルを学び、練習しながら身につけていくことが必要です。そのひとつがアサーション。アサーションとは、相手の権利や要求も受け入れつつ、自分の意見や要求も大切にし、対等な関係を築くためのコミュニケーション方法。言いたいことが言えず相手の要求を飲み続けたり、反対に相手の発言や行動を否定することなく、お互いを尊重し合い、気持ちよくやりとりできる状態を目指します。

今はアダルトチルドレンに関する書籍もたくさんあるので、それを見ながら回復に取り組むこともできます。しかし、過去の自分を振り返り、新しい自分に変えていくのは案外大変なこと。時には挫折したり、苦しさを感じることもあるかもしれません。そんな時は、専門家の力をかりながら、無理ないペースで取り組んでいくのもひとつです。少しずつ自分の人生を歩んでいけるよう願っています。

ライター/南 舞

臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。

Instagram: @maiminami831

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