不安定さの中で人生をより深く生きるために考え直すべき「価値」とは
みなさんは、今の仕事に満足していますか?転職などを考えていませんか?コロナ禍をきっかけにして、自分の仕事や生活に対する不安が高まった方も多いのではないでしょうか?今回はコロナ禍によるキャリア不安についてのお話です。
コロナ禍でのキャリア不安
新型コロナウイルスをめぐる日米欧6カ国で行われた「ケクストCNC」による世論調査では、感染症対策などの面で職場環境を評価する人の割合が日本は最低だったそうです。職場におけるコロナ対策や対応に不満や不安を抱えている人はとても多いのです。
例えば、「従業員を大事にしていない」「給料やボーナスがカットされた」「有給を無理やり消化させられた」「すべての対応が遅い」「在宅勤務や時差出勤をさせてくれない」「テレワークといってもやることがない」など、様々な声をお聞きします。
会社の対応や現状をみて、「この先も今の仕事を続けていけるのか」「今の会社にいて大丈夫なのか……」そんな不安を抱えやすくなります。
実際にコロナ対策への不満が募ったり、自分のスキルやキャリアを見つめ直すきっかけになったり、転職を決意した人もいます。しかし、この時代に転職するのはリスクも高いため、不満を抱えながら勤務を続けている人が多いのが現状です。転職サイトを眺めながらも勤務を続けていませんか?
価値を改めて考え直そう
転職する場合は、自分にとっての価値を見つめ直すことでより満足できる転職につながります。自分は仕事をしていく上で何を大切にしていきたいのでしょうか。仕事だけではなく、人生をより深く生きるために、自分はどのようなものを大切にしていきたいのでしょうか。どのようなものに価値を置くのか明確にし、しっかりと意識していくことは仕事においても人生においても大切なことです。
以下の質問を参考に、自分にとっての価値を考えてみましょう。
・自分にとって価値があると感じるものは何でしょうか?
・自分にとって重要なこと、意味があること、大切なことは何でしょうか?
・どのような人間になりたいのでしょうか?
・何を大切にいきていきたいでしょうか?
・どんなことを大切に生きたら、老後に「悪くない人生だったな」と思えるのでしょうか?
例えば、健康、愛情、人との繋がり、個人の成長、スキル、お金、やりがい、仕事やキャリア、余暇や趣味、自己啓発…様々なものが思い浮かんだかもしれません。
価値は私たちの人生の道しるべとなり、進むべき道を教えてくれます。そして、変化するためのモチベーションにもつながります。一つ注意なのが、価値と目標は異なります。価値は人生の方向性を定めるもので、人生においてずっと続いていくものです。もちろん途中で価値が変わることはあります。一方、目標は自ら設定して、達成するものです。価値が明確化すると、仕事を選ぶ上での条件がはっきりとしてきます。今一度、自分にとっての「価値」を考えてみてください。
焦りは禁物
時代の変化は自分の人生を見つめ直すきっかけになります。この機会に、考え直すのも一つの選択肢です。しかし、今すぐ決断する必要はありません。不安や不満な気持ちが強いと、ついつい焦って行動しやすくなります。私たちが行動しすぎてしまうときは、背後に「不安」な気持ちが隠れていたりします。例えば、「コロナについて色々と調べすぎてしまう」「備蓄品を買いすぎてしまう」「家族や友人に同じ話を何度もしてしまう」「仕事や趣味に没頭してやりすぎてしまう」などです。このように行動しすぎるときは、行動することで、背後にある不安をなんとか解消しようとしている場合があります。
もちろん職種によると思いますが、現在は転職に有利な状況ではないかもしれません。採用枠が減っている状況で転職をしたら、満足いかない結果や後悔することもあります。自分にとっての価値を再認識し、方向性を定めることで気持ちが落ち着くこともあります。この機会に、しっかりと自分に取って価値があるものを見つめ直し、転職する場合は、適切なタイミングで転職できるように準備をしておきましょう。
ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。https://cbt-yoga.com
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