自由と個性と美しさと。デジタルネイティブが夢中の「Milk Makeup」の魅力#噂の海外コスメ
アメリカを中心に世界的なクリーンビューティームーブメントが起きて久しい昨今、2015年以降SNSからさまざまなブランドが誕生し、新たな流れが生まれている。その中から今回は、先進の成分を配合したユニークなアイテムと社会派なキャンペーン展開で話題を集める「Milk Makeup」を直撃した。
2016年にマズダック・ラッシ、ジョージー・グレンヴィル、ダイアナ・ルース、そしてファッションエディターのザンナ・ロバーツ・ラッシの4人がNYのダウンタウンのMilk Studioで立ち上げた「Milk Makeup」が、クリーンビューティー先進国のアメリカの中でも注目を集めている。その理由は、ヴィーガン、パラベンフリー、グルテンフリー、クルエルティフリーとクリーンビューティーの基本を踏まえているのはもちろんだが、注目は現在世界のビューティーシーンをにわかに沸かせているCBD(=カンナビジオール)オイルをいち早く処方したこと。もちろん、医療効果がなく食用に分類されたオイルであり、配合製品には表示がある。その一つであるベストセラーマスカラ「KUSH High Volume Mascara」は、一躍ブランドの名を知らしめた“張本人”だ。
より"リアル"を極めた発信スタイル
「Milk Makeup」が注目を集めるもう一つの理由は、実際の愛用者たち(=“Milk Mob”)を広告に起用してリアルを追求する点にある。スーパーモデルやセレブが発信してきたスタイルから、トップインフルエンサー、そして“友達”へーーデジタル時代ならではの等身大を極めた発信元を使った宣伝手法も魅力の一つとなっている。
「パーソナルスタイルと試行錯誤こそ、究極の自己表現。自分のルックをどうクリエイトするのかではなく、何を表現するのかが大事」とのブランドポリシーを謳い、成分処方からパッケージに至るまでクリエイティブな発想が光る「MILK MAKEUP」のファンもまた、プラスサイズモデルとして注目を集めるサビーナ・カールソンやLGBTQモデルたちなど、新たな時代の美の体現者たちが目立つ。
「自分らしくあることこそ究極の美」と提唱し、積極的に彼らを広告に起用する創設者のマズダック・ラッシとジョージー・グレンヴィル。そんな彼らのポリシーが本物であることは、ブランドが毎年発表し続けているNYのLGBTQコミュニティーセンター“The Center”とのコラボレーションライン「Milk Makeup x The Center Pride Pack」が物語っている。NYC Prideの期間中は、選ばれたアイテムのセールスの半分がこのコミュニティーに寄付されるなど、本ラインは彼らの”ダイバーシティ&インクルージョン”の啓蒙活動の一環を担っているのだ。
一方で、先にアメリカ・ミネアポリスで起きた白人警官による黒人男性殺害事件では、ビューティーブランドとして真っ先に「#BlackLivesMatter」と抗議のメッセージを発信し、単なる化粧品ブランドに留まらない“社会派”としての顔も見せている。こんな点が、幅広いファン層を獲得する要因でもあるようだ。
利便性を追求したスティックタイプのクレンジングなど、ポップでカラフルなルックスも大人気。現在ではアメリカ本国の他UAE(Sephora)等にも上陸しており、プライスもお手頃なだけに、ぜひ日本にも上陸してくれることを願いたいところだ。
ライター/横山正美
ビューティエディター/ライター/翻訳。「流行通信」の美容編集を経てフリーに。外資系化粧品会社の翻訳を手がける傍ら、「VOGUE JAPAN」「etRouge」(日経BP)「NikkeiLUXE」等のメディアでセレブリティインタビューを始めビューティ関連の執筆活動中。
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