心が疲れたときのヨガ的対処法【疲労回復とヨガ#3】

 心が疲れたときのヨガ的対処法【疲労回復とヨガ#3】
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井上敦子
井上敦子
2020-05-09

心は目で見ることができません。そのため、疲れを認識できずに放置してしまうことも多いものです。そんな心の疲れに、「ヨガは効く」といいます。では、どのようにヨガは心の疲れを解放してくれるのでしょうか? 今回の【疲労回復とヨガ】では、心の疲労のサインに気が付き、その疲労へのヨガ的対処法をお伝えしていきます。

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心の疲労のサイン、見逃していませんか?

目には見えない心の疲労。その疲労に気が付いた時には精神的ダメージが大きくなっている、ということも起こり得ます。集中力が低下したり、身体が疲れているのに寝付けなかったり・・・生活の中に心の疲労のサインは隠れているもの。まずは、今の自分の心身の状態をチェックしながら、心の疲労を見逃していないか確認していきましょう。

 

【心の疲労のサイン】

・些細なことにイライラする

・集中力が低下し、落ち着かない

・憂鬱な気持ちになる

・食欲がない、もしくは食べ過ぎる

・熟睡できない(眠れない、途中で目が覚める、いやな夢を見る、など)

・朝起きた時点で疲れている

・仕事上のミスが多い

・運動をしていないにもかかわらず身体が疲れている

・以前よりも疲れやすい

厚生労働省「労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト」参照

 

心の疲労のサイン、当てはまることが多い方は、「まだ大丈夫」と思わずに、早めに心のケアをしてけたら良いですね。次に、心の疲れをケアしていくヨガ的対処法をお伝えしていきます。

 

心が疲れたときのヨガ的対処法

一人の時間をつくる

心が疲れたな、と感じたら、まず一人になる時間をつくりましょう。そして、スマホやテレビといった情報をインプットするツールから自分を離します。外的な刺激と自分との間に距離を置き、自分の内側に目を向ける時間を持つことは、心の疲れを軽減するためにはとても大切です。

刺激に慣れている方は、初めはソワソワとしてしまい落ち着かないかも知れません。その外側に意識が向き過ぎている状態こそが、心を疲弊していく原因でもあります。

情報を遮断し、静かに座る。もしくはゆったりと身体を動かしながら、自分の身体の動きに集中する。どちらにも、ヨガというツールを使うことができます。YouTubeやアプリなどのヨガコンテンツを使ってみるのも良いですね。静かな一人の時間を過ごすことを習慣化することで、心の疲労は癒されていきます。

 

今ここに意識を向ける

過去でもなく、未来でもない、現在。今ここに意識を向けることは、ヨガの大切な練習の一つです。ここにいる自分自身に意識を向けること。 それは、心の落ち着きや満たされている感覚をもたらします。

心の疲労、その疲労の原因はどこにあるのでしょう?その原因は、過去の出来事か未来の心配の中にあり、今にはないものです。過去でも未来でもない、今ここに意識を向けることで、その疲労の原因から自由になることができます。

意識は、過去や未来に向かいやすく、今に留まりにくいもの。心は、移ろいやすいもの。そんな私たちの意識や心の持つ性質を理解できると、心の疲労との向き合い方も変わっていくかも知れません。

 

呼吸法を行う

心が疲れているときは、自律神経のバランスも保たれていないことが多いもの。ヨガの呼吸法は、自律神経のバランスを整えてくれます。心が疲れているときは、興奮の神経「交感神経」が優位に立っていることが多いので、リラックスの神経「副交感神経」を優位に立たせる呼吸法を行うと良いでしょう。

今回は、吸う息でお腹を膨らませ、吐く息でお腹をへこませる呼吸法、「腹式呼吸法」をご紹介します。シンプルな呼吸法なので、ストレスを感じたときや落ち着かないときなどにも試してみて下さい。

 

【腹式呼吸のやり方】
① 椅子に座る、あぐらで座る、仰向けで横になる、いずれかの姿勢で行います。

②背筋をまっすぐに伸ばし、身体の左右が均等になるようにします。

③鼻からゆっくりと息を吐いていきます。

お腹の中の空気をすべて出すイメージで、おへそがへこむまで吐き切ります。

④へこませたお腹を緩め、鼻から息を吸っていきます。

少しずつお腹に空気を送り込むように、ゆっくり吸います。お腹がだんだんと膨らんでいくことを確認しましょう。

⑤ゆっくりと息を吐いていきます。

お腹の中の空気をすべて出すイメージで行いましょう。

⑥10回ほど繰り返します。

 

いかがでしたか?

心の疲労のサインを感じたら、ぜひ早めに対処しましょう。日常にヨガを取り入れることで、疲労に対しての早めの対処が可能になっていきます。ヨガの時間を特別な時間と捉えずに、日常生活でもぜひ行ってみて下さい。より自分らしく、より快適に生活していくために、心の疲労という目に見えない疲労を意識していけると良いですね。

 

ライター/井上敦子
ヨガ講師。15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。ヨガニードラ講座やコラム執筆、アプリ監修(Relook)、イベント出演等幅広く活動中。会社員の経験から、企業向けヨガにも注力している。現代人のライフスタイルに合ったヨガを提案することを得意とする。Instagram:@yoga_atsuko.inoue

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