日本ではくつろげない?「良かれと思って」の弊害とは #小さな違和感を声にする
「良かれと思って」に裏打ちされた過剰なサービス精神
日本にいると疲れるのはこのあたりだと思う。まずは、マニュアル主義が浸透しきっていて、店員が自分で考えて対応してくれない。少し考えればまつ毛サロンに来たワタシが心臓病を持っているかどうかなんて、全く関係ないことだと分かるはず。しかし順序良く聞いてくれる。それが積み重なって、どっと疲れてしまうのだ。
スタンプカードに代表される「余計なオファー」も多いと感じる。これ以上現物でカードを持ちたくない私は、この手のスタンプやメンバーシップは全て入会しないし、どんなにお得と言われても断っている。例えば、30回足マッサージに通って1回無料みたいなサービスは、そのために同じ店に通ったりスタンプを集めたりする労力対比の「疲労」という意味から絶対にお得ではないと確信している。小さなポイントをコツコツ貯めるのも、費用対効果が非常に悪いと感じる。そしてそのポイントはいざ使おうとしたら有効期限が切れていたりして狐につままれたような気持ちになることも多い。
タイではカルテみたいなものもなければ、個人情報をガンガン聞かれることもない。小さなポイント集めみたいなのも見たことがない。その空気感は東京で働く私にはとても清々しい。いちいち予約しなくてもいい、ヨガのクラスの後にフラッと入ったまつ毛パーマサロンやネイルサロンで最短時間でそれらを仕上げてくれたら、人生はきっととてもシンプルに感じるはずだ。
東京という忙しい街で働くには、時に心のデトックスが必要だ。だから、リラックスできるはずの場所で「リラックスを妨げるもの」にははっきり「NO」と言う。そして、タイへと出かけるのだ。
ライター/川村真木子
奈良県生まれ。一児の母。20歳で大阪の公立高校を卒業後、渡米。24歳でUCバークレーを卒業後、米投資銀行ゴールドマンサックスを経て米大手投資会社に移籍。3万人のフォロワーを抱える社会派インスタグラム@makikokawamura_が人気。
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