日本ではくつろげない?「良かれと思って」の弊害とは #小さな違和感を声にする
社会派インスタグラムが人気の川村真木子さん。彼女が日々感じている「小さな違和感」を綴る不定期コラム連載がスタート!世の中にはびこる"普通"って、本当に"普通"なの?今回は、日本のサロンで常々感じる「良かれと思って」なサービス精神を取り上げます。
タイのサロンは「話が早い」!
配偶者がタイで単身赴任しているため、時々タイを訪れるようになった。タイに来ると日本では受けられないマッサージやネイルやまつ毛サロンなどに行くことが多い。もちろん、同様のサービスは日本にもあるのだけど、私の中ではそのサービスの「実体験」が日本とタイでは全然違う。
まず、どのサービスもタイではアポなしで受けられることが多い。予約なんてしなくてもたくさんの人が「待ってました」とばかりに出迎えてくれるので、待たされることなく、こちらのタイミングで受けられることが殆どである。ネイルだとフットに2人、ハンドに2人と合計4人ついてくれることもあったりして、仕事がやたらと早い。ジェルネイルでも、日本なら1時間半から2時間かかるところをタイでは40分程度で仕上げてくれたりするので、もう東京でネイルサロンに行くのが辛くなってしまった。
タイでは、初めて入るマッサージ店やまつ毛サロンでも、日本でよく見かける「カルテ」みたいなものは皆無。何の前ぶれもなく突然施術に入ってくれるので話が早いのだ。日本で見かける「カルテ」は時々大袈裟過ぎて辟易してしまう。先日も日本にあるまつ毛パーマの専門店で、年齢や住所や電話番号、メルアドといった個人情報に加え、心臓病の有無や心の病気まで聞かれ、ひっくり返りそうになった。その時ついていたまつ毛エクステについて「自分の店でつけたまつ毛エクステなら無料で外せるけど、他店でつけたものに関してはプラス料金がかかります」と言われたり、お得な(?)スタンプカードを提案されたり、施術に入る前のやり取りだけでどっと疲れてしまった。
「良かれと思って」に裏打ちされた過剰なサービス精神
日本にいると疲れるのはこのあたりだと思う。まずは、マニュアル主義が浸透しきっていて、店員が自分で考えて対応してくれない。少し考えればまつ毛サロンに来たワタシが心臓病を持っているかどうかなんて、全く関係ないことだと分かるはず。しかし順序良く聞いてくれる。それが積み重なって、どっと疲れてしまうのだ。
スタンプカードに代表される「余計なオファー」も多いと感じる。これ以上現物でカードを持ちたくない私は、この手のスタンプやメンバーシップは全て入会しないし、どんなにお得と言われても断っている。例えば、30回足マッサージに通って1回無料みたいなサービスは、そのために同じ店に通ったりスタンプを集めたりする労力対比の「疲労」という意味から絶対にお得ではないと確信している。小さなポイントをコツコツ貯めるのも、費用対効果が非常に悪いと感じる。そしてそのポイントはいざ使おうとしたら有効期限が切れていたりして狐につままれたような気持ちになることも多い。
タイではカルテみたいなものもなければ、個人情報をガンガン聞かれることもない。小さなポイント集めみたいなのも見たことがない。その空気感は東京で働く私にはとても清々しい。いちいち予約しなくてもいい、ヨガのクラスの後にフラッと入ったまつ毛パーマサロンやネイルサロンで最短時間でそれらを仕上げてくれたら、人生はきっととてもシンプルに感じるはずだ。
東京という忙しい街で働くには、時に心のデトックスが必要だ。だから、リラックスできるはずの場所で「リラックスを妨げるもの」にははっきり「NO」と言う。そして、タイへと出かけるのだ。
ライター/川村真木子
奈良県生まれ。一児の母。20歳で大阪の公立高校を卒業後、渡米。24歳でUCバークレーを卒業後、米投資銀行ゴールドマンサックスを経て米大手投資会社に移籍。3万人のフォロワーを抱える社会派インスタグラム@makikokawamura_が人気。
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