「助けて!」が言えない人へ…ストレス社会を生き抜く簡単な方法
自分自身ではどうにでもできない困り事に遭遇した時、あなたは人に頼れるタイプ?それとも頼らない、頼れないタイプ?実は人に頼ることができると自分自身を守ることに繋がるのです。臨床心理士である筆者が解説します。
あなたは誰かに助けを求めていますか?
「仕事が辛くて会社に行きたくない」「恋人とうまく行かない」「困っていることがあるがどうしたらよいか分からない」「かわいい我が子なのに育児が辛い」…など日常を生きていればさまざまな悩みがありますよね。
そんな時に周囲の人に悩みを話したり、誰かに助けを求める行動のことを、心理学では援助希求行動と呼びます。日本では悩みを話すとか、援助されると聞くと、あまりいいイメージを持たれないかもしれませんが、実はとても大切なことなのです。
うつ病の原因にも…援助希求行動ができない人の特徴
援助希求行動ができないと、人生の中で様々な障害を引き起こすと言われます。
例えば、最近増えている「うつ病」は、「自分が悪い」「自分が頑張ればいいだけ」と自分で問題を抱えてしまうこと、つまり援助希求行動ができない事が原因の一つとしてあります。
また、辛さを自分で抱えようとしたために、その辛さを抱えきれず、自傷行動(リストカットなど)をしたり、最悪の場合は自殺してしまうという可能性もあるのです。
助けて!と言ってみよう
誰かに「助けて!」と言えるのは実はポジティブな行動。勇気を出して話してみたことにより、相手が親身に聞いてくれたり、思いがけず解決のヒントが得られるかもしれません。また、人に話すことで自分の状況を整理し、自分の問題をこれまでよりも少し客観的に見ることができるかもしれません。
相手からヘルプを求められた時は?
もし相談を受けた時は、まずは「うんうん」と相談してきた人の状況を優しく聞いてあげてください。悩みを相談された時、私たちはどうしても「解決してあげなきゃ」とか「アドバイスしなきゃ」と思ってしまいがちですが、良かれと思ってしたアドバイスが逆に相手を傷つけてしまうこともあります。実際のところは、話を聞いてもらえただけで楽になったり、方向性が見えてくることも多いのです。もし話の内容が「重い…」とか「自分では受け止めきれない…」と思ったら無理して受け止めようとしなくて大丈夫。「勇気を出して話してくれてありがとう」など敬意の言葉を掛けた上で、カウンセリングなどの専門機関を勧めてあげてみてください。
誰かに頼る、助けを求めることで、自分では見えてこなかった景色が見えてきたり、新しい発想が生まれ、結果的にそれが自分自身を助けることに繋がるでしょう。まずは勇気を出して身近な人に悩みや困りごとを話すことから始めてみてくださいね。
ライター/南 舞
臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。Instagram: @maiminami831
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