妊娠前~閉経後…ライフステージごとに変わるホルモンバランスとヨガの役割
ヨガによって人生のさまざまな時期を豊かにしていくためにどんな練習をしたらいいのだろうか。ヨガジャーナルアメリカ版の記事より、ヨガが女性の人生のあらゆる段階にもたらす重要な要素と、それらを得るための年齢ごとのポーズをご紹介します。
女性のライフステージにヨガがもたらすもの
このページでエーカパーダラージャカポターサナ(片足の鳩の王のポーズ)をしているキャサリン・デ・ロス・サントスにとって、ヨガは生涯の友だ。デ・ロス・サントスは幼い時から動くのが大好きで、17歳の時にアイダホ大学で正式にヨガのクラスを受講し始めた。B・K・S・アイアンガーの『Light on Yoga(邦訳:ハタヨガの真髄)』を読んでヨガの精神的側面への理解を深め、毎日欠かさず練習することを心に誓った。当時は、実際にあれほど多くの体と心の問題を乗り越えるのにヨガが役立つことになるとは思ってもみなかった。デ・ロス・サントスは、気力と体力に満ちていた20代にヨガを教え始めた。ポーズを練習して心を静めることができた。30代はヨガのおかげで自分の能力や価値を信じることができた。40代に入ると更年期のほてりに悩まされたが、さまざまな面でヨガを実践してなんとか乗り切ることができた。そして、66歳の今、更年期と両親が他界した時の感情の浮き沈みを乗り切るのにヨガが役立ったと振り返っている。「重要なのはヨガをやめないことだと思うの。生徒たちにもそう話しているわ。自分の人生にポーズを織り込んでいくという考え方が素敵だと思うわ」。カリフォルニア州メンロ・パークで個人レッスンを行っているデ・ロス・サントスはこう話す。
この記事では、青年期、妊娠可能期、閉経周辺期、閉経後というようにそれぞれ異なる時期にいる4人の女性が、どのようにヨガと向き合っているか紹介したい。
「ヨガには、女性の人生のあらゆる段階にとって重要な要素があります」。こう語るのは、カリフォリニア大学サンフランシスコ校に女性の心とホルモンのクリニック(Woman's Mood and Hormone Clinic)を開設した医学博士で神経精神科医のローアン・ブリゼンディーンだ。「ホルモンが劇的に変化する時期は、ヨガをする気がなかなか起きないものですが、その時期こそ私たちがいちばんヨガを必要としている時期なのです」。体内の化学的性質が変化することによって、気分に大きな混乱が生じる。ただ、『The Female Brain(邦訳:女性脳の特性と行動 深層心理のメカニズム)』の著者でもあるブリゼンディーンによれば、ヨガなどを行うと血流に化学物質が放出されて、幸福感や満足感がもたらされるという。
規則的にヨガを行っていくと、身体的にも感情的にも精神的にも支えられるが、節目ごとにそのときの必要性に合わせて練習を変えていくことが重要だ。年齢を問わず挑戦しがいのあるポーズを練習することはできるが、今の状態に合った練習をすれば、ヨガの練習を最大限に活かすことができる。言い換えれば、人生の段階やその日の気分に合わせて練習を変えていくということだ。一生を通じて、まさに今この瞬間に体と心に起きていることに意識を向けることが、ヨガから最も大きな恩恵を得るためのかぎとなる。
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