「医療現場で安全かつ効果的にヨガを伝えたい」Wワーカーまでの道のり ♯CASE1

 「医療現場で安全かつ効果的にヨガを伝えたい」Wワーカーまでの道のり ♯CASE1
Kenji Yamada
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――患者さんにヨガを教えるうえで、看護師の経験がどのように役立っていますか?

患者さん向けのヨガメソッドの開発に、医療的な視点が活かされています。院内でヨガを教えるにあたり「メディカルヨガ」というメソッドを考案し、現在、心疾患の患者さんに週に一度、がんの患者さんには月に一度のペースでヨガクラスを開催。このメソッドは、ピークポーズに向けて流れを作っていく一般的なヨガとは違い、リハビリの一環として行うため疾患の特徴と患者さんの体調を理解したうえでプログラムを組み立てます。例えば心疾患の患者さんは、深く呼吸することが苦手で腹式呼吸でお腹を膨らませることが難しいため、仰向けで声を出しながら行う呼吸法を取り入れたり。また、入院中は筋力が衰えるため、安全な座位や仰向けで下肢の筋肉を刺激するポーズも多く取り入れています。

ヨガ中の心身の状態を察するという点では、言葉には表さない患者さんの中に潜在するニーズを五感を使って読み取るという、新人時代から積んできたトレーニングが役立っていますね。目の前の患者さんが怒っていて、その感情の出どころを探っていくと、実は治療に対する不安や体が思い通りにならないもどかしさに起因している場合も。看護師には患者さんの本音を汲み取るための傾聴力や言葉掛けのスキルが求められ、それができると少しずつ心を開いてもらえるんです。ヨガでも同様に患者さんと向き合い、信頼を築く努力をしています。

看護師とヨガ講師のWワークストーリー 鈴木陽子
メディカルヨガレッスンにて。看護師として積み重ねてきた経験をいかし、一人ひとりの心と体に適切に寄り添う

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Photos by Kenji Yamada
Text by Ai Kitabayashi



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