7人のヨガ賢者が語る「今、伝えたいヨガの精神」vol.2 佐藤ゴウ先生

 7人のヨガ賢者が語る「今、伝えたいヨガの精神」vol.2 佐藤ゴウ先生
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――それまでは、難しいポーズを攻略することに喜びを感じていたとゴウ先生は言います。

「上達するプロセスを楽しみ、達成した自分に満足していました。でも、ポーズをかたちづくることがゴールだとしたら、達成した時点でヨガを続ける意味を見失ってしまいますよね。ヨガは本来、人が健やかに生きるための智慧を授けてくれるもの。アーサナはその手段のひとつにしかすぎません。ヨガインストラクターになって8年、時間はかかりましたがようやくヨガ哲学とアーサナの関係が腑に落ち、ヨガの意味が実感として理解できました」

――この気づきがきっかけとなり、今では日々のアーサナの自主練習に加え、瞑想が日課に。

「瞑想にも新たな発見がありました。瞑想中は無になるべきと思っていましたが、今は考え事をしている自分を客観的に見て、考え事の内容を掘り下げるように。結果、考え事の本質はすべて、取るに足らないことだと気づいたんです。自分はこれまで、そんな実態のないものに捉われていたんだ、確実なのは今この瞬間だけだと気づけました。すると執着も不安も消えて、いい意味で楽観主義になれた。ヨガがあったからこそ、こうした気づきを得られたのです」

――物事の本質を見つめるようになり、日々の食事においても変化があったそうです。

「体に必要なものを適量食べ、消化による胃腸への負担を減らすために丁寧に咀嚼する。僕自身は肉類を食べると調子が悪くなることがわかったので、自然と選ばなくなりました。体を慈しむようになると、生活が快適に変わっていくのを感じています。これもヨガが教えてくれたことです」

――最近ではヨガ哲学や瞑想のワークショップも行い、ヨガの本質に触れるクラスが人気を博しているゴウ先生。また、ヨガインストラクターの育成にも情熱を注いでいます。

「良いヨガ講師とは、目の前の生徒に全力を注ぎ、その人が健康で幸せに生きるためのヨガの智慧を授けられる人。ヨガの本質を伝えられる指導者を育てるのも、自分の役割だと思っています」

インタビューに答えてくれたのは…佐藤ゴウ先生
IHTA理事、ヨガインストラクター。YMCで各種クラスを担当し、「男ヨガ」の牽引者でもある。一方でヨガ哲学や瞑想のクラスも担当し、ヨガ本来の役割に触れ、心身を整え快適に生きるためのヨガを教えている。

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Photo by Shoko Matsuhashi
Text by Ai Kitabayashi
yoga Journal日本版Vol.61掲載



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佐藤ゴウ ヨガインストラクター