安定した体幹の定義とは|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと

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安定した体幹の定義とは|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと

得原藍
得原藍
2019-06-10

「体幹が安定する」とはどういうことか

ではこの、体幹の安定とは何のことを言うのでしょうか。体幹を動かさない力でしょうか。腹直筋を鍛えて厚い壁を前方に作ることでしょうか。先ほどの、四肢の運動と体幹の関係性を思い返してみてください。体幹は、四肢の運動を行うために必要な「土台」です。土台は、四肢を自由に動かすために作られるべきです。「どのように四肢を動かしても安定している体幹」が、本当の意味で運動に必要な体幹である、と言えるでしょう。

さらに、わたしたちは運動中に呼吸も行なっています。呼吸も、体幹を内側から動かす運動に他なりません。ヨガでは、呼吸は、関節を動かしている最中に何度も繰り返したりはしません。呼気でこの動きを、吸気でこの動きを、と、動きのフローの中での呼吸のタイミングが整えられています。また、一度ストップした動きの中で、呼吸を繰り返します。すると今度は呼吸による体幹の動きが、四肢の支えとなっている筋に力を伝達し姿勢に揺らぎを与えます。すると四肢には、一定の力ではなく少しずつ変化する力のコントロール能力が必要になります。この、体幹を介した呼吸と運動の絶妙な組み合わせに、感心させられます。呼吸と運動の関係性が考え抜かれているように思います。

ライター/得原藍さん
大学時代にアメリカンフットボールの学生トレーナーをした経験から身体運動に興味を持ち、卒業後社会人経験を経て大学に再入学し理学療法士となる。総合病院と訪問リハビリテーションで臨床経験を積み、身体運動科学について学ぶために大学院に進学、バイオメカニクスの分野で修士号を取得して5年間理学療法士の養成校で専任教員を勤める。現在はSchool of Movement®️ IES Directorとして様々な運動関連職種の指導者に対してバイオメカニクスを中心とした身体運動の科学を教えている。

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