背中をまっすぐに保つ筋肉「多裂筋」を鍛えよう|理学療法士に教わるヨガワーク2つ
知っているとポーズの充実度が格段に変わるという「5つのキーマッスル」のうちの一つが「多裂筋」。理学療法士でヨガティーチャーの中村尚人先生に、多裂筋の強化方法を教わります。
多裂筋とは|どこにある?どんな動きに作用する?
多裂筋は背骨の深層筋で、小さな筋肉が連なって背骨を支えています。座位や立位、逆転位での直立姿勢など、背骨を真っすぐ保つポーズでは常に働いて脊柱の安定性を保っています。
多裂筋を使う上級ポーズ
多裂筋を鍛えるヨガワーク1:頭頂を押して体の中心から伸びる
多裂筋の使い方を身に付けるワークです。いきなりシールシャーサナはハードルが高い人も、負荷が軽いので行いやすいはず。頭頂を伸ばす感覚と、多裂筋を使う感覚が身に付きます。背骨を伸ばして行いましょう。
この筋肉を使うポーズ
HOW TO
組んだ手を頭にのせ、その手を頭頂で押し返すように背骨を伸ばす。手は頭を押し下げる。手と頭で押し合う間、背骨を真っすぐ保つ。30秒キープ
POINT:押し返す力に負けないように背骨を伸ばし続ける。
両手を組んで親指同士を揃える(バレーボールのレシーブの手)。頭にのせたとき親指の骨が頭頂にあたるように。
壁の前に立ち、腰の高さにブロックを置く。頭頂をブロックにあてたら背骨を床と平行にする。背骨を伸ばし、頭頂でブロックを押す。
これはNG
腰が丸まると、多裂筋の力が抜けてしまう。
多裂筋を鍛えるヨガワーク2:丸める・伸ばすで多裂筋を刺激
パールシュヴォッターナーサナでは、多裂筋が伸ばされながら力を発揮(遠心性収縮)して、ポーズを安定させています。「伸ばす・縮める」を繰り返し、遠心性収縮と求心性収縮(収縮しながら力を発揮)の両方を鍛えて。
この筋肉を使うポーズ
HOW TO
①両足を前後に開き、前脚の膝を軽く曲げる。頭の後ろで手を組み、上体を下げる(多裂筋が遠心性収縮)。脱力するのではなく、多裂筋の力でこの姿勢を保つ。
POINT:下ろすときも上げるときも、力を抜かずに行って。
②肘を前に押しながら体を起こし、背中と床が平行になる位置まで上げてくる(多裂筋が求心性収縮)。この間、背骨を伸ばし続けることで多裂筋が刺激される。疲れるまで×3セット
OK 肘を閉じて、ぐっと前に押し出すのが正しい姿勢。
NG 肘が横に開いてしまうと、多裂筋は働きにくい。
教えてくれたのは...中村尚人先生
学療法士、ヨガインストラクター。UTLにてヨガの解剖学の講師を担当。医療とボディーワークの融合、予防医学の確立を目指し活動中。「TAKTEIGHT」主宰。4月にリハジム「UPRIGHT」、「側弯トレーニングセンター」も開設。
モデルを務めてくれたのは...伊藤ニーナさん
2011年GINGERスターオーディションモデル部門にてグランプリを受賞。『GINGER』(幻冬舎)、『CLASSY.』(光文社)などで活躍中。「TOKYOGIRLSCOLLECTION」など大型ファッションイベントにも多数出演。Instagram⇒@ninaitoh
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く