世界を知るための感覚とその揺らぎ|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと

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世界を知るための感覚とその揺らぎ|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと

得原藍
得原藍
2019-01-10

理学療法士として活躍する得原藍さんが、ヨギに知ってほしい「体にまつわる知識」を伝える連載。第十回目となる今回は「世界を知るための感覚とその揺らぎ」。

前回まで、視覚、前庭覚、体性感覚と、続けて感覚入力についてお伝えしてきました。この三つはわたしたち人間が様々な環境の中で生活するための、身体のバランスに必要な「情報」であり、それぞれの情報を受け取る眼、内耳、身体はその「インターフェイス」であると言えると思います。

今、掃除用の家電で、自由に部屋の中を行き来するものが盛んに販売されています。家電は生き物ではないので、機械自体が物事を判断することはできません。けれども、階段があれば落ちないように反転し、部屋の角では壁を傷つけないように回転します。それを可能にしているのは「センサー」です。どこからどこまでが部屋で、自分はどの程度の速度で部屋の隅に到達し、どの位置で方向転換すればいいのか、そういった判断を可能にするのは「どこに階段があるのか、どこに壁があるのか、障害物で自分の運動はどう変わったか」を知るためにはセンサーが必要なのです。

視覚や、前庭覚や、体性感覚は、わたしたちに備わった自然の、繊細な、優秀なセンサーです。そしてこれらのセンサーは、生き物としての「揺らぎ」も抱えています。

もう一度、機械のセンサーを思い浮かべてみましょう。例えば先ほどの掃除用の家電の場合、位置を確認するのに主に使われているのは赤外線です。赤外線は、一定の速度で空間を進みます。なので、同じ距離をいつ計測しても同じ答を導き出すことができます。赤外線を発する部品と、赤外線を受ける部品が故障していなければ、明るい部屋でも暗い部屋でも、寒くても暑くても、いつでも同じ計測結果になるでしょう。とても正確です。では、身体のセンサーはどうでしょうか。

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