ChatGPTにお悩み相談?AIにメンタルヘルスの相談をする人が増えている理由とは|心理師が解説


ChatGPTなどAIを活用したツールと出会うことが増え、AIが私たちにとって身近な存在になってきましたきました。そんな中、最近はChatGPTなどAIにメンタルヘルスの相談をする人が増えています。今回はその理由やメリットについて解説していきます。
AIにメンタルヘルスの相談をするメリット
1. 気軽さ
AIは匿名で相談できるため、友人や専門家に話すことをためらうような家庭内の問題や人間関係の悩みなど、周囲には相談しづらいテーマも気軽に打ち明けられる。カウンセリングのように予約が必要なく、時間や場所を問わないため、自分の都合の良い時間に相談ができる点が忙しい人にとって便利。
2. 人からどう思われるという心配がない
AI相手なら「批判されるかも」「恥ずかしい」といった不安が少なく、安心して話せる。人からどう思われるのだろう・・・と相手の反応を恐れず、自分の思いを冷静に整理できる場として利用できる。
3. メンタルケアのニーズ増加
コロナ禍以降、孤独感や不安感を抱える人が増加し、メンタルケアへの関心が高まっている。特に仕事や家庭、介護など多くの責任を抱える世代や様々なストレスに悩んでいる人たちは、切実にストレスや不安を解消する場が必要とされている。
4. メンタルヘルスに関するアプリの増加
メンタルヘルスに関するアプリが増え、アプリ内でAIに相談する機能が導入されていることで、より一層カウンセリングや専門家に行く前の「入口」として、AIを活用する人が増えている。
5. 相談の多様性
心理カウンセラーによっては専門とする分野や心理療法が限られている場合がある。AIは、メンタルヘルス以外にも、キャリアの悩み、恋愛、自己実現など、幅広いテーマでの相談に応じられる点が魅力。

AIにメンタルヘルスの相談をする人が増えている理由
人それぞれ様々な理由があるかと思いますが、主に以下のような理由が考えれます。
1. 人間関係の希薄化
都市化や核家族化の進行、結婚率の低下、コロナ感染症の影響など、近しい人とのつながりが薄れ、気軽に相談できる相手が減少している。SNSの普及で表面的なつながりは増えた一方で、深い信頼関係が築きにくくなっている。
2. 弱みを見せることへの抵抗
特に日本では、他者に弱みを見せることを「恥」と感じる文化的傾向がある。世代や文化によっては家庭や仕事で「しっかりしているべき」という社会的期待に縛られやすく、悩みを共有することに抵抗を感じやすい。他人から「弱い」と思われることへの恐れや、周囲の評価を気にするプレッシャーが影響している。
3. 経済的負担
心理カウンセリングは1回あたり都市部では10,000円前後かかる場合が多い。近年の物価上昇から経済的にカウンセリングを受けること自体がハードルになっている。
4. AIやデジタルサービスの普及
無料で使えるAIは経済的負担がなく、24時間利用可能なため、心理的にも金銭的にも敷居が低い。「相談しても評価されない」「気軽に利用できる」といった特徴が、従来のカウンセリングや対人相談にはない利点として受け入れられている。
AIに相談することの限界

相談相手としてAIを選ぶ人が増えています。それはストレスや心理的負担の増加から、「安心して話せる場所」を求める自然な流れとも言えます。ただし、AIには専門的な心理療法や深い共感の限界があります。また、AIに相談する場合は、「自覚している」悩みを相談することになります。心理カウンセラーは言葉になっていない部分、意識できていない部分を想定しながら対応をしていく場合があります。AIにはそのような対応は難しいと考えられます。よって、AIは医療的・専門的なカウンセリングの代替ではなく、あくまで補助的なツールであることを理解することが重要です。深刻なメンタルの問題については、専門家に相談することが推奨されます。
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