大容量の収納スペースがあってもあなたの家が片付かない本当の理由|断捨離提唱者やましたひでこが語る
「我が家が片付かないのは、収納スペースが狭いから!」そんなふうに思う人にこそ、ぜひ知ってほしいことがあります。
『暮らしも心も調う 大人の断捨離手帖』(著者/やましたひでこ Gakken・刊)より抜粋してご紹介します。
スペースがあればあるだけ、モノは増える
モノがあふれる今の時代、大量のモノを所有できるようにと収納スペースの広さをうたっている物件が多くありますが、大容量の収納スペースがあれば家はスッキリ片づくのでしょうか?収納スペースが、片づけの悩みをすべて解消してくれるのでしょうか?
残念ながら、答えは「いいえ」でしかありません。
収納スペースが広く大きいほど、モノは増えていきます。なぜならば、収納スペースがあると、取捨選択する必要がないため、取捨選択センサーが次第に鈍っていきます。鈍ればモノはたまっていく一方。広かったはずの収納スペースはやがて手狭になり、そこからはみ出したモノが住空間を覆っていくのです。
私のセミナーに参加された、バックパッカーだったというあるご夫婦は、4年間各々のリュックひとつで海外を旅されていました。どのような環境だろうと、リュックの容量は決まっているし、背負える重量にも限度があります。そのような制限の中で、ふたりは必要ないものを厳選し、その時々で必要なに応じて中身を入れ替えてきました。
ところが、バックパッカー生活を終え定住生活になると、モノとの関係は一変。たちまちモノがたまり込んでいったのです。
私たちは本能的にモノを取っておきたく保存保管していたいもの。だから、収納空間があればあるほど、無自覚無意識にモノをため込み、収拾がつかなくなってしまうのです。片づかないのは、収納スペースの広さの問題ではありません。モノに「総量規制」をかけず、取捨選択をしないから片づかないのです。
著者/やましたひでこ
断捨離提唱者、ミリオンセラー作家、一般財団法人「断捨離(R)」代表。学生時代に出逢ったヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」に着想を得た「断捨離」を日常の「片づけ」に落とし込み応用提唱。誰もが実践可能な「自己探訪メソッド」を構築。断捨離は人生を有機的に機能させる「行動哲学」と位置づけ、空間を新陳代謝させながら新たな思考と行動を促すその提案は700万部ミリオンセラー。アジア各国、ヨーロッパ各国において20言語以上に翻訳されている。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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