チョコレートは「心の健康」に良い?管理栄養士が教える、チョコレートの意外な腸活効果とは

 チョコレートは「心の健康」に良い?管理栄養士が教える、チョコレートの意外な腸活効果とは
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チョコレートは甘くておいしいだけではなく、実は私たちの健康に欠かせない心も体も癒される「おやつ」です。 そのようなチョコレートが心の健康に効果があるかもという研究結果があります。 ここ数年で世界的に気分障害と言われる気持ちのバランスを崩す人口の割合が非常に多いです。今回はチョコレートと私たちの気分の関係を紐解いていきます。

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チョコレートと気分の研究

チョコレートやカカオについての論文では、チョコレートを3週間食べ続けた人は腸内細菌への変化が起こることがわかりました。

腸と脳は相関していると考えられているため腸が安定することで感情への変化もあると考えられます。腸や脳からアプローチをして気分に変化をもたらすチョコレートには、どのような栄養素が含まれているのかみていきましょう。

チョコレートにはどのような栄養素が入っているの?

カカオリグニン

カカオリグニンはカカオに含まれる不溶性の食物繊維です。

カカオリグニンを摂取すると排便がスムーズになり、腸内細菌のバランスが改善して、ネガティブな気持ちの頻度が軽減したと報告されています。ネガティブな気持ちの頻度が減ることで気持ちが落ち着く回数も増えるため、腸内環境の改善をしながらモチベーションのアップやいい気分の時間増加にもつながります。

カカオポリフェノール

ポリフェノールは私たちの体の中で、ストレスで起こる体への負担を軽減します。
ストレスがかかると体の中では老化反応や血圧や心拍を上昇させるアドレナリンの緩和につながることがわかっています。
ストレスがかかることで幸せを感じ気分を安定させる「セロトニン」の分泌もすくなくなるため、チョコレートを食べることで
幸せホルモンである「セロトニン」の分泌を守ることにもつながります。

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どのようなチョコレートを選べばいいの?

チョコレートを食べると言っても多くの種類があります。コンビニやスーパーではホワイトチョコレートやミルクチョコレート・フレーバーチョコレートなどさまざまな商品が陳列されていますね。

ネガティブな気持ちの軽減におすすめなチョコレートは85%以上のダークチョコレートです。ダークチョコレートはカカオの成分が多いだけではなく、甘さが控えめなのはお砂糖の量も少ないからです。最近では健康意識の高い方に非常に人気です。

砂糖も少ないことから血糖値の急激な上昇も抑えるられます。血糖値が急激にあがると老化現象につながるため、そのためダークチョコレートはアンチエイジング効果がある「おやつ」としても優秀です。

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食べる量は?

ネガティブな気持ちの軽減や腸内環境の改善があるからといっても、必要以上に毎日摂取しては体重増加や糖尿病などの疾患の要因になります。
チョコレートは滑らかな食感を作り出すために脂質であるカカオバターやその他植物性の油脂を多く含んでおり、カロリーが高くなってしまいます。1日5粒程度で約100kcal程度のカロリーになり1日の「おやつ」の量として適量と言えます。
つい、甘くて美味しいチョコレートで健康効果もあると食べたくなりますが、量はしっかりコントロールしていきましょう。

管理栄養士のコメント

チョコレートはちょっと罪悪感も感じてしまう「おやつ」の1つかもしれませんが、しっかりとカカオの割合や食べる量を調整することで、日々のメガティブな気持ちの軽減やお腹の調子を整える間食として活用できますね。

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そのほか、チョコレートにはその他の栄養素でもあるテオブロミンや良質な脂肪酸も豊富です。「おやつ」の中でもしっかりと活用すれば罪悪感を抱くのではなく、健康的な「おやつ」として私たちの強い味方になってくれるでしょう。

〈参考文献〉
Shin JH, Kim CS, Cha J, Kim S, Lee S, Chae S, Chun WY, Shin DM. Consumption of 85% cocoa dark chocolate improves mood in association with gut microbial changes in healthy adults: a randomized controlled trial. J Nutr Biochem. 2022 Jan;99:108854. doi: 10.1016/j.jnutbio.2021.108854. Epub 2021 Sep 14. PMID: 34530112.

Koga J, Ojiro K, Yanagida A, Suto T, Hiki H, Inoue Y, Sakai C, Nakamoto K, Fujisawa Y, Orihara A, Murakami H, Hirasawa S, Nakajima K, Sakazawa T, Yamane H. Ingestion of Indigestible Cacao Proteins Promotes Defecation and Alters the Intestinal Microbiota in Mice. Curr Dev Nutr. 2022 Aug 6;6(10):nzac129. doi: 10.1093/cdn/nzac129. PMID: 36204331; PMCID: PMC9529219.

Wirtz PH, von Känel R, Meister RE, Arpagaus A, Treichler S, Kuebler U, Huber S, Ehlert U. Dark chocolate intake buffers stress reactivity in humans. J Am Coll Cardiol. 2014 Jun 3;63(21):2297-9. doi: 10.1016/j.jacc.2014.02.580. Epub 2014 Mar 26. PMID: 24681134.

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AUTHOR

竹内寿美恵

竹内寿美恵

保育園栄養士、スポーツ栄養士、国立病院にて臨床栄養を経験。さまざまな経験を積む中で、ストレスの軽減をし、心身共に幸せな生き方をしたいと心に決める。 そのために『食×栄養×ヨガ』を組み合わせたホリスティックな知識をより深く学ぼうとインドネシア、バリ島にてベジタリアン、ヴィーガン、ローフード、ヨガ栄養学の留学をする。 現在は栄養カウンセリング、ヨガインストラクターなどフリーランスの管理栄養士として活動。



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