「最近、爪が割れやすい…」それは栄養不足のせい?不足しがちな5つの栄養素とは|管理栄養士が解説
爪が割れると、服や髪に引っかかったり、肌が傷ついたりと、地味にストレスを感じてしまいますよね。爪が割れる原因はさまざまですが、その中のひとつに「栄養不足」が挙げられます。割れにくい爪を目指すには、どのような栄養素を補えばよいのでしょうか。今回は、爪が割れやすい方に不足しがちな栄養素について解説します。
爪が割れる原因は?
爪が割れる原因は、爪の乾燥や直接的なダメージ、栄養不足など、人によってさまざまです。
たとえば、水仕事や除光液の使用、乾燥した空気に触れることなどで、爪の水分や油分が不足し、爪の割れにつながるケースも珍しくありません。この場合、ハンドクリームやネイルオイルなどで爪を保湿し、外側からケアしてあげるのがおすすめです。
そして、今回取り上げるのが「栄養不足」による爪の割れです。爪は、おもに「ケラチン」と呼ばれるたんぱく質から構成されています。そのため、おもにたんぱく質やたんぱく質のはたらきをサポートする栄養素が不足すると、爪が割れやすくなると言われています。
そのほかにも、加齢や女性ホルモンの減少も、爪が割れやすくなる原因のひとつです。
なお、病気が原因で、爪が割れることもあります。割れの程度がひどかったり、長引いたりと、気になる症状がある場合には、一度医療機関で診てもらうことをおすすめします。
爪が割れやすい人に不足しがちな栄養素とは?
クリームやオイルで保湿をしても、爪の割れが続く場合、原因は「栄養不足」にあるかもしれません。爪が割れやすい方は、一度日ごろの食生活を振り返ってみてはいかがでしょうか。
ここから、爪が割れやすい人に不足しがちな栄養素を紹介します。普段の食事に不足していると感じた方は、ぜひ積極的に取り入れてみましょう。食事面からのネイルケアにも注目してみてくださいね。
たんぱく質
爪が割れやすいと感じる方は、爪の主成分である「たんぱく質」をしっかりと補いましょう。たんぱく質には動物性のもの(肉類、魚介類、卵、乳製品など)と植物性のもの(大豆製品など)があります。丈夫な爪を育てるには、どちらのたんぱく質もまんべんなく摂るのが大切です。
ビタミンA
ビタミンAは、皮膚の新陳代謝を助ける栄養素。爪の健康維持にも役立ち、不足すると乾燥やもろさの原因になります。ビタミンAは、鶏レバー、豚レバー、にんじん、ほうれん草などに多く含まれるので、ぜひ食事に取り入れてみましょう。
鉄
鉄不足が進行すると、匙状爪(スプーンネイル)になることがあります。匙状爪とは、爪がスプーンのように反り返った状態になることです。爪自体がもろくなり、割れたり、欠けたりしやすくなります。
鉄は、日本人に不足しやすい栄養素でもあります。レバーやがんもどき、カツオ、小松菜など、鉄が多く含まれる食品を意識して取り入れるとよいですね。
亜鉛
たんぱく質の合成にかかわる亜鉛は、健康な爪を作り、爪の健康状態をキープするのに欠かせない栄養素です。亜鉛は、牡蠣や高野豆腐、牛肩ロースなどに含まれています。
ちなみに、亜鉛の吸収を効率よくするには、ビタミンCを含む食品と組み合わせるのがおすすめです。牡蠣を食べるときはレモン果汁を振りかけるなど、工夫してみるとよいでしょう。
ビオチン
ビオチンとは、ビタミンB群のひとつ。爪の健康維持に欠かせない栄養素です。通常の食生活では不足の心配はないとされていますが、かたよった食生活や腸内環境が悪い場合には不足することも。爪の成長や強度に重要な栄養素なので、日常的に意識してみてください。ビオチンは、きのこ類、レバー、落花生などに含まれています。
【参考文献】
・中村丁次監修「栄養素図鑑と食べ方テク」朝日新聞出版
AUTHOR
藤倉詩織
管理栄養士。【予防医療】にかかわりたいという思いから、大学卒業後は健診センターに就職。メタボリックシンドロームや生活習慣病の方への栄養指導・特定保健指導を経験し、現在はフリーランスの管理栄養士・ライターとして活動中。
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