栄養を効率よく摂取できる!管理栄養士が勧める〈皮ごと食べた方がいい野菜〉とは
野菜が不足していると感じる人も多いではないでしょうか。野菜に含まれるビタミン、ミネラル、食物繊維は、体の調子を整える栄養素として不可欠です。野菜の中には、皮も丸ごと食べることで、効率よく野菜の栄養素をとることができるものがあります。今回は、皮まで食べるメリットや皮まで食べたい野菜を2つご紹介します。
皮までまるごと食べるメリット
体にうれしい栄養素を摂ることができる
野菜の皮は、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどが含まれます。さらに、紫外線や虫などの外敵から自分の実を守るために植物が作り出したフィトケミカルも含まれ、健康維持の効果が期待できます。
食品ロスの削減
食品ロスとは、食べられるのに、捨てられてしまう食べ物のこと。食品ロスを減らすことは、地球の環境への負荷を減らすことにもつながります。
皮ごと食べた方がいい野菜とは
ごぼう
皮をむいた方が見栄えがいいと皮をむきがちなごぼう。しかし、水溶性食物繊維やポリフェノールは、内部より皮の近くに多く含まれています。
◎栄養素
・イヌリン:水に溶ける食物繊維で、糖の吸収をおだやかにして血糖値の上昇を抑える働きをもちます。ごぼうは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれ、腸内環境にとって強い味方です。
・ポリフェノール:抗酸化作用があり、生活習慣病の予防に。ごぼうのポリフェノールは、内部に比べて表皮に2倍も多く含まれています。
◎食べ方
スポンジなどで優しく汚れを落とします。強くこする、水にさらすと、イヌリンやポリフェノールが減ってしまうため、最小限にしましょう。薄切りにする、油を使って炒める、揚げるなどすると皮ごとでもおいしく食べることができます。
かぼちゃ
かぼちゃの皮、硬くてむいていませんか?かぼちゃの皮は、β-カロテンなどのビタミン類が豊富に含まれています。
◎栄養素
β-カロテン:粘膜の健康維持をしてくれ、風邪をひきやすい時期は積極的に摂りたい栄養素。果肉にも含まれていますが、それ以上に皮に多く含まれます。油に溶けやすい性質があります。
◎食べ方
まず、汚れを落とすためにしっかり洗います。皮が硬くて食べにくいと感じる方は、皮ごと柔らかくゆでたら、フードプロセッサーでなめらかにし、ポタージュにすると、皮の硬さも気にせず食べることができます。また、皮だけ別に食べる場合は、細切りにしてきんぴらにする、チーズをのせてオーブンで焼くチーズ焼きもおすすめです。バターやオリーブオイルなど油をプラスして、β-カロテンの吸収をアップさせるのもポイントです。
参考文献
2. ゴボウの部位別理化学成分の比較 . 乙黒親男. 山梨県工業技術センター. 1991
3. 春夏秋冬おいしいクスリ 旬の野菜の栄養事典. 吉田企世子,澤井聖一 2014
4. 岸達郎. 完全版 その調理、9割の栄養捨ててます!,濱裕宣・赤石定典監修. 株式会社世界文化社 . 2024
AUTHOR
山﨑礼絵
管理栄養士。島根県出身、3児の母。大学・大学院で、生活習慣病について研究。卒業後、製薬会社勤務を経て、「食」の大切さを人に伝えていきたいという想いから、管理栄養士を取得。オンライン栄養指導、行政栄養士を経験。現在、特定保健指導、健康・栄養分野の執筆などで活動中。
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