「夢はみりんで世界平和」#みりん女子会® 主宰 設楽賀奈子さんの考える、みりんで叶える女性の幸せ

 「夢はみりんで世界平和」#みりん女子会® 主宰 設楽賀奈子さんの考える、みりんで叶える女性の幸せ
写真提供: 株式会社米粉とみりん

「みりん」がどういった調味料か、ご存知ですか?「みりんはただ甘味をつけるだけの調味料ではないんです」と語るのは、大人気オンラインクッキングサロン「#みりん女子会®」を主宰している設楽賀奈子さん。みりんメーカー宝酒造㈱でみりんと15年間向き合ってきた栄養士の設楽さんに、私たちの感性を揺すぶるみりんの美しさや健康効果、みりんの活用方法、可能性について前後編に渡ってお伺いしました。

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インタビュー前編では、甘味づけだけではないみりんの魅力について、また設楽さんが主宰されている「#みりん女子会®」についてお伺いしました。インタビュー後編では、#みりん女子会で大活躍のみりんシロップレシピや、みりんの活用方法について、またみりんの更なる可能性についてお伺いしました。

みりんの活用方法は…?

– #みりん女子会では「みりんシロップ」というものを推していると伺いましたが、どういったものなのでしょうか?

設楽さん: みりんに難しいイメージを持たれている方も多いので、みりんシロップというと「さらに難しそう!」と思われる方も多いんですが、お米を研ぐよりも実は簡単で、料理にも値しないような工程でできるシロップです。

みりんシロップは、みりんを中火で半量に煮詰めるというだけです。例えば、100mlのみりんを50mlまで煮詰めるとなれば、約5分で煮詰まります。簡単な使い方ですと、ヨーグルトやパンケーキ、アイスクリーム、コーヒー、紅茶などに加えてみてください。蜂蜜や、メープルシロップ、あるいは砂糖の代用になるとお考え下さい。また、このシロップを使うことで、スコーンやショートケーキといった洋菓子を作ることもできます!あとは、#みりん女子会でも大人気のレシピのグラノーラなんかも、美味しくできます。

 

– 和食のイメージが強いみりんで洋菓子が作れるとは...!けれど、ケーキなど砂糖の甘味が強い洋菓子に、みりんシロップを使うと物足りなさのようなものは感じないでしょうか?

設楽さん: それは、よくいただくお声ですね。しかし、#みりん女子のみなさんからは「しっかり甘い」「ちょうど良い甘さ」と評判です。みりんは砂糖に比べて、甘味度が約1/3ですが、みりんシロップは、半量に煮詰めている分、甘味度が約2/3までになります。また、みりんには鼻から感じる芳醇な甘い香りがあるので、甘味を強く感じることができます。それに、ケーキなどお菓子を食べていて「甘さ控えめで美味しいね」と言う方も多いじゃないですか。いざ、みりんの甘味で仕上げたお菓子を食べると「このくらいの甘味が一番落ち着いて美味しい」と気付く方もたくさんおられます。

私たち人間がはじめて口にするのは母乳ですが、母乳の甘味はいちごの糖度くらいだと言われています。つまり本能的に優しい甘味に人は安心感や美味しさを感じるのではないのかなと思います。

– 個人的にも、優しい甘味の方が安心感があります。みりんシロップの他に、おすすめのみりんの使い方はありますか?

設楽さん: 和食はもちろん、みりんは中華料理やエスニックにも合うんです。例えば、チャーハンや麻婆豆腐の仕上げにみりんを一回し入れるのもおすすめです。みりんには辛味や塩味のカドをとって味をまろやかにするという効果もあるので、中華やエスニック料理を程よくマイルドにしてくれます。生春巻きのチリソースにもぴったりですよ。

みりんで叶える女性の幸せ 

– 最後に今後の計画や展望について教えて下さい。 

設楽さん: 今後の計画としては「みりんをアートする」というテーマで国内外にみりんの魅力を広めていきたいと考えています。私自身がみりんの虜になっている理由の一つが、調味料という概念を超えた「みりんの美しさ」という芸術性なので、料理をしない方にもそういったみりんの素晴らしさを届けたいと考えています。今はまだまだ知られていないみりんの魅力を言葉で熱弁していますが、本当はみりんは言葉を尽くさずとも人の心に訴えるものがあると思っています。それがまさにアートの世界に通じるものがあると。このテーマこそが私が虜になっているみりんの魅力を国内外に伝える最終手段だと思っています。

– みりんをアートする…素敵です!楽しみにしています。

設楽さん: はい!ぜひ、見守っていただけたら嬉しいです。もちろん、現在の #みりん女子会の活動も頑張っていきたいですね。世間では「みりんが何者か」ということがまだまだ知られていません。それには、みりんが主役になれるシーンを作っていかなければなりません。これまで、みりんが主役になれないからこそ、何者かが伝わってこなかったということもあると思うので... みりんと言えば、肉じゃがや鶏のてり焼きのイメージで、他の調味料の脇役的なイメージを持たれる方が多いです。ですので、甘味が主体となるお菓子を砂糖を使わずみりんでレシピ開発をし、みりんの美味しさをダイレクトに国内外に伝えていきたいなと思っています。また、その実現には、この活動が#みりん女子の皆さんが主役になれるサロンでもありたいと思っています。家庭の食卓からみりんの魅力を広めてくださることで、世界中にみりんの魅力が広がっていくと信じています。私一人ではできることに限りがある中、家庭で毎日食卓に向き合う女性の力が集まれば世界中に日本の食文化も発信できると思っています。

– 団結した女性はパワフルですよね。

設楽さん: はい。私自身、病気や結婚をきっかけに、大好きだった会社を辞めざるおえなくなってしまって… その時、社会とのつながりがなくなったことがすごくショックでした。私だけではなくて、何らかのライフイベントで社会から離脱してしまうということが男性に比べて、未だに女性は多いと思います。ですが、毎日向き合っている食卓での一皿が日本の食文化や、お米の自給率向上、そして家族の心身の健康にもつながっているということを考えると、それは立派な社会とのつながりだと思うんです。暮らしから社会とつながり、カラダと心が満ちるような時間を過ごす幸せな女性の力が団結すると社会がより良くなっていくと私は思っています。最終的には「みりんで世界平和」という目標も掲げています。少しスケールは大きいですが、幸せな女性が増えることで、その実現はそう遠くはないと思うんですよね。

– おっしゃる通りだと思います。オーストラリアの格言に「Happy wife Happy life(妻の幸せが、家族の人生を幸せにする)」というのがあるんですが、家庭という小さな社会の中でも、妻がご機嫌の方が家庭は安泰。夫や子どもたちも幸せに家庭の中でも過ごせるし、社会の中で活躍していく糧にもなると思います。

設楽さん: そうですよね。女性は家庭はもちろんのこと、会社や学校などのコミュニティでも光のような存在であることが多いですよね。私は、みりんを「日本の母なる甘味」と表現することが多いですが、これは母乳のような優しい甘味があって、人を幸せにするものだと思っているからなんです。私にとってみりん自体が、母あるいは優しい女性像な気がしています。みりんを一人の女性として擬人化しているんですけど (笑) 主役にもなれるし、脇役にもなれる。穏やかで自然な甘味で、いつも機嫌が良さそうで、肩の力が抜けていて、はんなりとそこにいるというような。すごくヘルシーで魅力的な女性像を感じることができる調味料なんです。なので、病気になって自分の女性性みたいなものに向き合ったタイミングで、すごい惹かれるものがあったんだと思います。

– みりんのような女性になりたいです(笑)

設楽さん:そうですよね(笑) 私もついつい力入れて頑張る癖があるので、みりんのように力が抜けている軽やかさで、これだけ人を魅了できたら、すごいですよね。きっと私はみりんを通して憧れの女性像を追いかけているのかもしれません。そういった女性、#みりん女子が世界中に増えることで自分のことが好きだと思える幸せな女性が増えるといいなと思っています。 

【設楽さんの著書: わたしに優しい 米粉とみりんのお菓子と料理 

【設楽さんの著書: わたしに優しい 米粉とみりんのお菓子と料理】
人気オンラインクッキングサロン「#みりん女子会®」初となるレシピ本。全レシピ砂糖不使用、グルテンフリー。日本のどの家庭にもある伝統の発酵食品みりんで、体と心にやさしい甘さを実現。同じお米生まれの米粉も使った17のお菓子と16の洋食レシピを紹介します。日本人に生まれたことを心から喜べるおいしさなのはもちろん、甘いお菓子も洋食も罪悪感ナシで楽しめます。腸活している人、ダイエットをしている人、体質改善をしたい人にもおすすめです。また本書は、主にみりんを煮詰めてアルコール分を飛ばした「みりんシロップ」を使用するので、お子さま、妊娠中の方、高齢者の方にも安心して食べていただけます。懐かしくて新しい甘味の世界がここから始まります。

【プロフィール】設楽 賀奈子(したら かなこ)

設楽 賀奈子(
撮影: 市川五月

京都出身、群馬在住。A型。京都のみりんメーカー宝酒造(株)でみりんの商品企画・広告宣伝・レシピ開発などマーケティングに15年間従事し、みりんの虜に。料理上手な母とグルメな父の元に育った無類の食いしん坊。薬剤師の姉の影響もあり「食から健康」をライフワークに、栄養士の資格を取得するも、2018年に女性系疾患を経験し「私に優しい美味しさ」を改めて模索。「米粉とみりん」でグルテンフリー・砂糖不使用の食生活を実践し、便秘や冷え性の改善、心身の不調が改善することを実感。一方で、米粉とみりんで作る美味しいレシピがまだまだ世の中に少ないことを目の当たりにする。結婚を機に「私に優しい働き方」をと、自宅からできる仲間とのオンライン配信で定期便クッキングサロン#みりん女子会®を2022年に開講。1年で総受講者数1500名を超える人気サロンに。2023年7月には「みりんをアートする」をミッションに(株)米粉とみりんを設立。趣味は古道具集めとおしゃべりとワイン。夢はみりんで世界平和。

Instgram: @komekomirin

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桑子麻衣子

桑子麻衣子

1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。



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