秋の〈コロコロ便秘〉が気になるあなたへ。〇〇で解決!毎日快腸で過ごすために食べるべきものとは

 秋の〈コロコロ便秘〉が気になるあなたへ。〇〇で解決!毎日快腸で過ごすために食べるべきものとは
秋の果物
石松佑梨
石松佑梨
2024-10-14

便秘の原因にはいくつかありますが、日本人に多いのが弛緩性便秘です。弛緩性便秘とは、大腸の動きが緩慢になり、便が腸内に長時間留まることで起こる便秘の一種です。 排便回数が数日から1週間以上ないなど、排便が少なく、便がコロコロとした硬い塊になることが特徴です。まさに今の時期、秋の水分不足は腸燥便秘を引き起こします。

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日本人に多い〝弛緩性便秘〟とは

弛緩性便秘とは、大腸の動きが緩慢になり、便が腸内に長時間留まることで起こる便秘の一種です。

排便回数が数日から1週間以上ないなど、排便が少なく、便がコロコロとした硬い塊になることが特徴です。便が硬いため、排便時に痛みを伴ったり、便が出た後も、まだ残っているような感じを覚えたりすることもあります。

加齢や食生活、運動不足、薬の副作用などが、弛緩性便秘を引き起こす要因として考えられます。

弛緩性便秘を解消するために食べるべきもの5選

弛緩性便秘を改善するためには、食生活の改善が効果的です。また、運動を取り入れたり、規則正しい生活を心がけるのも重要です。ウォーキングや軽い運動を習慣化することで、腸の動きを活発にします。

以下では、具体的にどのようなものを食べればいいのかについて解説します。

① 便を柔らかくする〝水溶性食物繊維〟と〝水〟

弛緩性便秘の解消には、水分をこまめに摂ることが大切です。食物繊維が不足したり、水分摂取量が少なかったりすると、便が硬くなり排便が困難になります。水分不足によって便が硬くなると、腸が便を押し出すためにより大きな力を必要とし、蠕動運動が低下するのです。

オススメは、水溶性食物繊維が豊富な果物や海藻類。また柑橘類やパイナップル、リンゴなどに含まれる有機酸は腸粘膜を、冷たい水分や炭酸水は胃腸を刺激します。これらを上手に取り入れて、大腸の蠕動運動を促すのもいいでしょう。

② 便のかさを増やす〝不溶性食物繊維〟

いっぱい食べているのに便が出ない方は、不溶性食物繊維が足りない可能性があります。便が少ないと、蠕動運動によって大腸がくびれても、便を押し出すことができず、排便がすすみません。精製された穀類(白米、白いパン、うどん、砂糖… )や、肉、魚、卵、乳製品などのタンパク質食品では食物繊維が摂れません。玄米や根菜類などに豊富な不溶性食物繊維は、便のかさとなり、腸管を刺激して蠕動運動を促します。

例えば、糖質オフで肉中心の食事をしている人は、米などの主食を食べない分、野菜を意識的に摂る必要があるでしょう。白米ごはんを食べている人は、玄米からぬかや胚芽を取り除く際に、それらを一部残して精米した分つき米を選んだり、食パンではなく全粒粉パンを選んだりするのもいいでしょう。ラーメンにはモヤシ、うどんにはゴボウやワカメなどの具材を足したり…… 意識的に不溶性食物繊維を取り入れましょう。

③ 短鎖脂肪酸を作る〝発酵性食物繊維〟と〝発酵食品〟

発酵性食物繊維(腸内細菌によって発酵されやすい食物繊維)は発酵によって短鎖脂肪酸という物質を生成します。短鎖脂肪酸には大腸の蠕動運動を促す働きがあります。発酵性食物繊維が多く含まれている食品は、玄米、全粒粉パン、大麦、オートミール、大豆、レンズ豆、ひよこ豆、さつまいも、ごぼう、バナナ、リンゴ、キウイ、わかめ、昆布などです。

さらに発酵食品を組み合わせることで、発酵性食物繊維単独で摂取するよりも、より相乗効果を発揮し、腸の健康をサポートしてくれる可能性があります。ヨーグルトやキムチ、味噌、ぬか漬けなどの発酵食品には、すでに多様な種類の乳酸菌や酵母菌などが含まれています。腸内細菌の多様性がさらに高まり、よりバランスの取れた腸内環境が期待できます。

④ 腹圧を弱くさせない〝タンパク質〟

大腸内を便は蠕動運動によって移動します。蠕動運動とは、腸を取り巻く筋肉によって腸がくびれ、そのくびれが肛門に伝わっていくものです。運動不足や加齢によって腸の筋肉が弱ると、腸が十分にくびれず、便を押し出す力が弱まります。ただしの蠕動運動は、主に平滑筋という自律神経の支配下にある筋肉によって行われます。この平滑筋は、意識して動かすことが難しく、直接的なトレーニングはできません

腹式呼吸は、腹部の筋肉を動かすことで腸に刺激を与え、蠕動運動を促します。また日頃から筋肉量を低下させないよう、タンパク質摂取を心がけるのは重要でしょう。

⑤ 自律神経バランスを整える〝朝食〟と〝旬の野菜〟

ストレスや睡眠不足によって自律神経のバランスが崩れると、腸の働きが抑制され、蠕動運動が低下します。規則正しい生活を整えるほか、ストレスを取り除くことも大切です。朝食には体内時計をリセットさせる働きがあります。

また、栄養リッチな旬の野菜類も、積極的に食事に取り入れるべきです。旬の野菜は、その時に人間が必要としている栄養素を含んでいることが多いです。これらは味覚を通じて、私たちに季節を教えてくれます。個人的には、自分と季節のズレを合わせてくれる気がしています。

いかがでしたか?

特に秋口に多くなる弛緩性便秘について解説しました。うさぎのようなコロコロ便秘に悩まされている方は、まずはしっかりと水分補給し、乾燥している大腸を潤しましょう。それでも便秘が解消されないときは、上記を一つずつ試してみてはいかがでしょうか。

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石松佑梨

石松佑梨

サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。



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