〈暑い日の体調不良〉食欲がない時、冷たいものを食べるべき?温かいものを食べるべき?栄養士が解説
暑い夏の日や体調が優れないとき、食事が摂れなくなった経験のある方は多いでしょう。そんなとき、冷たいものを食べるべきか、それとも温かいものを食べるべきか、迷ったことはありませんか?この記事では、食べ物の温度が食欲に与える影響や、食欲がないときの栄養補給のコツなどをご紹介します。夏バテや疲労で食欲がなくなりがちな方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
食欲がなくなる原因
一時的に食欲がないと感じることはよくあること。しかし、食欲不振が長く続くと体に必要な栄養が不足し、健康を害してしまう恐れもあります。
食欲がなくなる原因はさまざまですが、多くみられるのは胃や腸などの消化器系の不調などです。また口内炎やむし歯など口の中の環境悪化や、内服薬の影響によって食欲が低下することもあります。
その他疲労やストレス、夏バテなど、食欲がなくなる原因は多岐にわたります。
食欲がないときは冷たいもの?温かいもの?
食欲がないとはいえ、何か食べなければ健康を損ねてしまう可能性があります。そんなときに意識してみて欲しいのが「食べ物の温度」です。実は食べ物には美味しいと感じる温度があります。
一部例外はあるものの、その温度は「体温±25〜30℃」。料理の温度としては、サラダや和え物などの冷菜は10℃以下、スープや煮物など温かい料理は65℃以上が目安です。
食欲がないときは冷たい料理は冷たくして、温かい料理は温めるといった、料理の適温に注目してみることをおすすめします。
食欲がないときの栄養補給のコツ
食欲がないときは、多少栄養バランスが偏っても食べられるものを食べましょう。
例えば喉越しのよい麺類やお粥、ゼリー、プリン、アイスクリームといったものは食べやすいかもしれませんね。特にアイスクリームは効率よくエネルギー補給ができるため、十分に食事が取れない場合は活用したい食べ物です。
エネルギーやたんぱく質補給用の市販のゼリー飲料を活用してもよいでしょう。
また食事がある程度摂れるなら、梅干しやお酢など酸味のある食材や調味料、香辛料、香味野菜などを食事に取り入れれば食欲増進に役立ちます。
ただし十分に食べられない期間が長引けば、栄養不足や偏った食事により健康に悪影響が出る恐れもあります。何かしらの病気が原因で食欲が低下している可能性も否定できないため、体重減少を伴う場合などは早めに医療機関を受診しましょう。
まとめ
食欲がないときは冷たいものは冷たくして、温かいものは温めて食べることで食事が美味しいと感じられ、食欲が回復する可能性があります。また、食事の味付けを工夫することも食欲増進に効果的です。
それでもあまり食べられないときは、好きなものや食べやすいものでこまめに栄養補給することもおすすめですが、症状が長引くようであれば受診も検討してくださいね。
【参考文献】
一般社団法人 日本調理科学会 調理科学 1978年 11巻 3号 p.192-194|食べ物における調味料の分布AUTHOR
鈴木亜子
管理栄養士/ライター。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。
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