豆腐VS納豆、栄養価が高いのはどっち?管理栄養士の回答は…
豆腐と納豆はどちらも健康に良いとされる日本の伝統的な食品です。原料も同じ大豆ですが、栄養価においてどちらが優れているのでしょうか? 今回はそれぞれの栄養価をご紹介しながら、特徴を詳しく解説していきます。
豆腐の栄養価
カロリー・脂質
豆腐は低カロリーです。絹豆腐と木綿豆腐ではカロリーが違います。100gあたり絹豆腐は56kcal、木綿豆腐は73kcalと絹豆腐の方が少ないですが、どちらも100kcalを下回っています。 また、脂質も低く、100gあたり絹豆腐は3.5g、木綿豆腐は4.9gです。コレステロールも含まれていないので、脂質が多い肉や揚げ物を控えたいときに代わりに豆腐を取り入れることで1日の摂取カロリー・脂質を抑えることができます。タンパク質
豆腐は良質な植物性タンパク質が多く含まれています。含有量は100gあたり絹豆腐が5.3g、木綿豆腐が7gです。 豆腐はヘルシーでありながら植物性タンパク質を多く摂れるのでダイエットや健康維持に役立ちます。そのまま冷や奴として食べるだけではなく、調理で使いやすいので毎日取り入れやすい点も豆腐のメリットと言えます。ビタミン・ミネラル
豆腐にはミネラルが豊富に含まれています。特にカルシウムやマグネシウム、鉄分が多いので、ダイエットをする際に不足しがちな栄養素も補いやすいです。その他の特徴的な栄養素
その他の特徴として大豆イソフラボンが挙げられます。女性ホルモンのエストロゲンを補って作用してくれるので、肌のコラーゲン生成の促進や更年期障害の緩和など健康や美容に役立ちます。納豆の栄養価
カロリー・脂質
納豆のカロリーは100gあたり184kcal、脂質は10.0g含まれています。豆腐の方が水分が多いため納豆よりも低カロリー・低脂質になっていますが、納豆自体も低カロリーの範囲と言えます。 ただし、脂質が多いので献立の組み合わせには注意しましょう。タンパク質
納豆も高タンパクの食品です。100gあたり16.5gなので豆腐の2倍以上のタンパク質が含まれています。ビタミン・ミネラル
同じ原材料から作られるため、含まれている栄養素は豆腐と似ていますが、納豆の特徴的なビタミンと言えばビタミンK2です。骨の健康維持や血液凝固に重要な栄養素です。 また、ビタミンB群も豊富で、特にビタミンB2は豆腐の7倍以上含まれています。その他の特徴的な栄養素
その他の特徴的な栄養素として食物繊維が挙げられます。豆腐は大豆を粉砕後、搾った豆乳を固めて作られるので、大豆の皮などの繊維質は入っていません。納豆は大豆そのものを発酵させているため、豆腐と比べて食物繊維が多く含まれています。 また、発酵させているので腸内の善玉菌を増やすプロバイオティクスが豊富です。腸内環境を改善して下痢や便秘の予防、体全体の健康維持に役立ちます。 豆腐と同様に大豆イソフラボンも含まれています。
まとめ
それぞれの栄養価を同じ量で比べると全体的な栄養価は納豆が高いです。 特にタンパク質や食物繊維を補いたい場合は納豆を取り入れるのがおすすめです。カロリーや脂質は豆腐が低いので、カロリー制限をしている方は豆腐を上手に取り入れることで摂取カロリーを抑えられます。 しかし、注意点として市販で売られている納豆は1パック約40g、豆腐は小さい3つ入りのもので1パック約150gです。100gあたりで比べると栄養価は納豆が高いと言えますが、実際に生活に取り入れやすい点を含めると、どちらが「栄養価が高い」と結論付けるのは難しいため、目的やニーズによって使い分けるのが理想的です。 最終的には、両方をバランスよく食事に取り入れることで、豊富な栄養素を効率よく摂取できます。豆腐と納豆の両方を適度に摂取して健康増進に役立てていきましょう。
参考:
・食品データベース -文部科学省
AUTHOR
たちばなかやの
病院・保育園にて経験を積んだ後に独立。大豆・グルテンフリー・プラントベース食品の知識に特化した管理栄養士として現在はコラム執筆、レシピ開発、セミナー講演の他、自身でケータリング弁当屋を主催するなど精力的に活動している。
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