触るとちょっとブヨブヨする…柔らかくなったじゃがいも、まだ食べられる?管理栄養士が回答
冷蔵庫で保管しておいたじゃがいもが柔らかくなってしまったことはありませんか?「これってまだ食べられるの?」と悩みつつも、処分してしまった経験のある方も多いでしょう。実はじゃがいもが柔らかくなっていても、正しく見極めれば食べられるのです。この記事では、柔らかくなったじゃがいもが食べられるかどうかの見分け方や、正しい保存方法をご紹介します。
柔らかくなったじゃがいもは食べられる?食べられない?
柔らかくなっていてもある程度の硬さがあり、切った中身も通常のじゃがいもと変わりないようであれば問題なく食べられます。
カットした断面が黒や茶色に変色している、切る前でもブヨブヨとした触感がある場合は腐敗が進んでいる証拠です。食べずに廃棄しましょう。
芽が出たじゃがいもは食べられる?
じゃがいもの芽には「ソラニン」という天然の毒が含まれています。食べると食中毒を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。
とはいえ芽が出たじゃがいもが食べられないわけではありません。包丁などを使用して、芽の付け根ごとくり抜くように取り除いてから調理すれば食べられます。
皮と芋の一部が緑色っぽくなってしまうのもソラニンによる影響です。この場合も、厚く皮をむいて緑の部分を取り除いてから調理しましょう。
じゃがいものおいしさを長持ちさせる正しい保存方法
柔らかくなったじゃがいもが食べられるとはいえ、水分が失われたり鮮度が落ちたりしてしまった証拠です。ここでは、おいしさを保ちつつなるべく長期間保存するためのコツをご紹介します。
基本的なじゃがいもの保存方法
じゃがいもは調理するまで水洗いせず、穴を開けたポリ袋やカゴなどに入れて風通しのよい冷暗所に保存しましょう。10℃くらいを保てるようであれば、冷蔵庫に入れる必要はありません。室温にもよりますが、常温下での日持ちは1〜3ヶ月程度です。
室温が20℃以上になってしまうと、じゃがいもは傷みやすくなったり芽が出やすくなったりします。夏場などは新聞紙やキッチンペーパーに包んでからビニール袋に入れ、冷蔵庫の野菜室での保存がおすすめです。
カットしたじゃがいもは、ラップで包んだりジッパー付きの保存袋に入れたりして冷蔵庫で保存し、なるべく早めに使い切りましょう。
じゃがいもの冷凍保存方法
本来冷凍には向かないとされるじゃがいもですが、適切に保存すればおいしさをキープできます。じゃがいもの冷凍保存の手順は、以下のとおりです。
●食べやすくカットする(皮付き、皮むきどちらでも)
●水にさらしてアク抜きをし、水気を十分に拭き取る
●ジッパー付きの冷凍用保存袋に重ならないように入れ、冷凍庫に入れる
解凍せずにそのまま揚げたり炒めたり、煮たりすればおいしく食べられます。
芽を出にくくするための保存のコツ
新聞紙やキッチンペーパーに包んだじゃがいもをビニール袋に入れる際に、一緒にりんごを1つ入れておきましょう。
りんごが発する「エチレンガス」には、じゃがいもの芽を出にくくする作用があります。りんごが古くなってくるとエチレンガスの発生が少なくなるため、定期的に交換するとよいでしょう。この方法でじゃがいもの芽が出にくくなるうえ、しわしわになって柔らかくなるのを防げます。
まとめ
柔らかくなったじゃがいもは鮮度が落ちているとはいえ、適切に処理すれば食べられます。ただし、中が変色していたり触った感じがブヨブヨしていたりする場合は腐っています。食べないようにしましょう。
じゃがいもは保存方法次第では、長く保存できる野菜です。適切に保存して、おいしいじゃがいも料理を楽しみましょう。
【参考文献】
農経新聞社|改訂10版 野菜と果物の品目ガイド|じゃがいも
AUTHOR
鈴木亜子
管理栄養士/ライター。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。
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