「手首」はなぜヨガで傷めやすいの?理学療法士直伝!手首の4つの安全策

 「手首」はなぜヨガで傷めやすいの?理学療法士直伝!手首の4つの安全策
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堀川ゆき
堀川ゆき
2024-05-16

ヨガで手首の痛みを感じた人は少なくありません。それは一体どうしてなのか、また手首を守るための4つ安全策を、理学療法士の堀川ゆきさんが教えてくれました。

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ヨガでは手のひらで体重を支えるポーズがたくさん登場します。特に、難度の高いアームバランスポーズは、主に両手のひらだけで自重を支えるポーズのため、手首にかなりの負担がかかります。握力たった10キロ(両手合わせて20キロ)の人が50キロの体重を支えてバランスを取れるでしょうか?とても無理ですよね。きちんと自分の体重に見合った筋力をつける、もしくは自分の握力に見合ったポーズの挑戦までにとどめておく必要があります。

さて、初心者クラスでもチャレンジすることの多い、

・四つ這い姿勢でのポーズ

・プランクポーズ(板のポーズ)

・アドームカシュヴァーナーサナ(下向きの犬のポーズ)

この3つのポーズも、体重を手のひらで支えることになりますが、この場合は手のひら以外にも足裏、膝やつま先など、4点以上で自重を支えるので、比較的手首への負担は減ります。もし、この3つのポーズでも手首の痛みを感じている場合は要注意です。

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photo by Yuki Horikawa

そもそも人間の手のひらは、体重を乗せるためではなく、道具を使うなどの巧緻動作を行うために発達した、とても精密で繊細な部分です。一方で、手のひらとほぼ同じような解剖学的構造をしている足裏は、体重を支持するために発達しているため、衝撃に強く頑丈にできています。

足裏よりずっとデリケートな手のひらで、何10キロという自分の体重を支えようとするヨガポーズ自体に無理があるとも言えます。もし手のひらだけで支えるポーズにチャレンジする場合は、体幹など全身の制御、調和、強化が充分に成されていないと、必ずいつかケガにつながってしまいます。ヨガで手首に痛みや違和感を感じていたり、手首に不安のある人は、これから紹介する簡単な4つの安全策を一度試してみてください。

1.手のひらを開いて人差し指正面

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photo by Yuki Horikawa

マットにつく手のひらはできるだけ指を大きく広げる。支持基底面が広い方が土台が安定するため。逆に狭いほど不安定になる。そして人差し指がセンターになるように手をおく。こうすると、脇がしまって腕と体幹が連動し安定する。手で支えていた力を体幹がサポートするので、手首の負担が軽減される。

2.手首の背屈の角度を軽減する

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photo by Yuki Horikawa

手首の参考可動域は、掌屈は90°だが、背屈は70°。参考可動域を越える可動域は、関節への負担となりケガのリスクが上がる可能性がある。両手のひらをマットについて四つ這いになると、手のひらはこの時背屈90°になっている。つまり参考可動域をすでに20°オーバーしてしまっている。そこで、手首を守るために手首の下にブランケットやタオル、ハンカチなどを置いて高さを出すと良い。ヨガマットを丸めて高さを出してもOK。そうすると背屈を70°くらいに保つことができる。四つ這いの時点で痛い人は、これだけで痛みが和らぐはず。痛みがまだ出ていない人も手首へのストレス予防としてオススメ。

3.手のアーチを意識する

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photo by Yuki Horikawa

手のひらをマットに置く際に、「人差し指の付け根をマットに押し付けて」とアドバイスを受けたことはあるか?私もそう教わってきた。しかし、足と同様に手にもアーチが存在する。

・近位横アーチ

・遠位横アーチ

・縦アーチ

遠位横アーチを保つように手のひらをマットに置けば安全。つまり、人差し指の付け根が足裏でいう土踏まずにあたるので、そこは無理にマットに押し付けないで、マットから浮いていて構わない。むしろその方が5本の指先に力が入り、より手のひらを力強く使える実感があるはず。逆に、人差し指の付け根をマットに押し付けた状態で、5本の指先もマットにグッと押し付けてみると、これではどうしても指先には力が入りにくいことが分かる。

4.肘の過伸展に注意する

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photo by Yuki Horikawa

肘の過伸展が手首への負担や痛みを増強する。肘が過進展している時は、上腕三頭筋が働いておらず、肘関節でロックした骨性支持の状態。骨性支持は関節に負担をかける上、隣接した関節が代償する。つまり肘のアライメント不良が手首に影響する。肘をつっぱり過ぎていないか今一度見直してみて。

手首を守る4つの安全策、どちらも今すぐに実践できることです。今日から早速ヨガの中に取り入れてみてくださいね。

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堀川ゆき

堀川ゆき

理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。



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