たんぱく質が不足すると体はどうなる?筋肉量が減るだけじゃない…意外な結果とは|管理栄養士が解説
近年、ダイエットや健康のためにたんぱく質を摂ることが注目されつつあります。ですが、そもそもたんぱく質はなぜ必要なのか、また体の中でどのように利用されているのかご存じでしょうか?この記事では、たんぱく質の役割や、たんぱく質が不足すると体はどうなってしまうのか解説します。
たんぱく質は体内で何に利用されている?
筋肉や髪、爪などを構成する
たんぱく質が筋肉の材料だということはよく耳にすると思いますが、筋肉は体だけでなく心臓や腸をはじめとする臓器にも存在しています。そのほかにもツヤのある髪や割れにくい丈夫な爪を作るためにも使われています。
身体機能の調節
たんぱく質は免疫に関与する抗体や、血糖値や血圧など体の機能を調節するホルモンの材料にも使われます。さらに、摂取した栄養素を体のさまざまな場所へ輸送するためにも使われます。
エネルギー源
人間のエネルギー源は主に糖質ですが、長時間の運動などで糖質や脂質が利用できない場合にはエネルギー源として使用されます。食事から極端に糖質や脂質を抜いてしまうと、体は筋肉を分解してエネルギーにしようとしてしまいます。
たんぱく質は人体を構成する成分の中で水分の次に多くを占めています。体のさまざまなところに存在し利用されるので、人間が生きるために欠かせないものだということがわかりますね。
たんぱく質不足のサインや症状
筋肉量が減る
上でも説明した通り、たんぱく質は筋肉を中心とした体を構成する栄養素です。たんぱく質が普段からしっかりと摂れていないと、知らず知らずのうちに筋肉量が減り基礎代謝が落ちてしまいます。その結果、疲れやすさを感じたり食事内容は変わらないのに太ったと感じたり、風邪をひきやすくなったりします。
肌や髪、爪のトラブル
たんぱく質は筋肉のほかに髪や肌、爪を作っています。肌の弾力を保つコラーゲンもたんぱく質の一種なので、たんぱく質が不足すると肌の弾力低下につながります。「最近なんだか肌や髪、爪の調子が悪い…」と感じている方は食生活を振り返ってみましょう。
体がむくむ
むくみといえば水分や塩分を摂りすぎると起こるイメージがありますが、たんぱく質不足でも起こることがあります。たんぱく質を構成する「アルブミン」というアミノ酸は、血管の中と外の水分量の調節に関わっています。食事から摂取するたんぱく質の量が減ると、たんぱく質不足によってむくみが現れることがあります。
たんぱく質をしっかり摂るには?
たんぱく質は摂れていると思っても意外と不足していることが多い栄養素です。例えば、女性ではダイエットのために野菜中心の食生活にしてしまう、男性ではチャーハンやラーメンなど糖質中心の食生活に偏りがちで必要量を摂れていないということも考えられます。
普段の食生活でたんぱく質をしっかり摂るには、たんぱく質が多く含まれる食材を取り入れることが大切です。例えば、サラダに鶏肉や卵、ツナをプラスしてみたり、肉や魚を使った定食タイプのメニューを選ぶということも大切ですね。
たんぱく質はまとめて摂ることができないので、食べ物から毎食取り入れる必要があります。自分が選ぶメニューのどこかにたんぱく質が入っているか、少しだけ意識してみてください。また、それが難しければサプリメントやプロテインを活用することもひとつの方法です。ただし、サプリメントやプロテインは食事の代わりではなく、あくまでも足りない分を補うためとして利用しましょう。
まとめ
たんぱく質の役割や、不足するとどうなるのかについてご紹介しました。最近疲れやすい、やせにくくなった、肌荒れが気になるといった症状がみられる場合は、たんぱく質が不足している可能性があります。ぜひ日頃の食事を見直して、たんぱく質を摂ることを意識してみてくださいね。
参考サイト:
AUTHOR
野口久美子
管理栄養士/調理師。大学卒業後、保育園栄養士と食品開発の仕事を経てフリーに転身。現在は子育てをしながらライターとしてレシピ紹介や栄養に関する分野でコラムを執筆している。
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