1品だけでできるスローダイエット〈春キャベツと豚肉のオイスター炒め〉で代謝アップ|管理栄養士監修

 1品だけでできるスローダイエット〈春キャベツと豚肉のオイスター炒め〉で代謝アップ|管理栄養士監修
石松佑梨
石松佑梨
2024-04-09

スローダイエットの最大の目的は、代謝を上げることです。胃の消化力低下は代謝を下げます。食べたものは胃に、液体で30分以内、果物や野菜で30~60分、穀物で1~2時間、タンパク質で2~3時間、脂肪で3~5時間ぐらい貯留されます。朝食の消化が終わったら、すぐに昼食の消化が始まる…… 胃への負担は莫大です。本記事では消化を助けるキャベツを使ったレシピを紹介します。消化機能を高め、代謝アップを目指します。

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やさしい胃腸薬〈春キャベツ〉を使ったスローダイエット

スローダイエットの最大の目的は、代謝を上げることです。胃の消化力低下は代謝を下げます。

春キャベツ
胃の消化機能低下は代謝を下げる!
消化機能をサポートするキャベツ

代謝を支える胃の働きとは?

口と小腸を結ぶ胃。胃の主な働きは、食べ物を消化することです。消化がうまく行えなければ、食べた物は栄養になりません。そのほかにも、口から侵入してきた細菌を殺したり、食べ物中の鉄やビタミンB12を吸収しやすい形に変えたりする働きもあります。

食べ物の消化には、大きなパワーが必要です。胃での貯留時間の目安は、液体で30分以内、果物や野菜で30~60分、穀物で1~2時間、タンパク質で2~3時間、脂肪で3~5時間ぐらいと考えられています。朝食の消化が終わったと思ったら、すぐに昼食の消化が始まる…… と、このような状況を繰り返していると、胃は疲れ果てて、消化不良や食欲不振、便秘、お腹のハリなどをもたらしてしまうでしょう。胃もたれで、消化負担の大きいタンパク質を避けだすと、消化酵素の材料であるタンパク質も不足し、さらに消化力が低下するという負のスパイラルが始まります。さらに胃の機能が低下すると、鉄やビタミンB12不足ももたらすでしょう。必要な栄養素の不足は、代謝を低下させます。

キャベツの栄養を効率的にとるための調理ポイント

キャベツは、やさしい胃腸薬として活用できます。実際、キャベツに含まれるビタミンU(別名:キャベジン)には胃粘膜組織の修復や、胃液の過剰分泌を抑える働きがあり、胃薬にも用いられているものです。

ビタミンUは水溶性ですので、効率的にとるためには、ゆで調理はおすすめしません。ゆでる場合は、ゆで汁ごと食べられる味噌汁やスープとして、いただきましょう。また、春キャベツはやわらかい芯まで食べられます。じつは、芯の部分は葉の部分よりもカルシウムやマグネシウム、カリウムなどのミネラル分が豊富に含まれているのです。

タンパク質20g&野菜150gとれる〈春キャベツと豚肉のオイスター炒め〉

本記事では、1食に必要なタンパク質と野菜がとれる簡単レシピを紹介します。今月は、春のやわらかなキャベツと豚肉のオイスター炒めです。

材料・作り方

スローダイエットレシピ:キャベツのオイスター炒め
レシピ・イラスト:石松佑梨

栄養価(1人分)

エネルギー:308kcal
タンパク質:22.2g
脂質:19.8g
糖質:9.5g
食物繊維:3.8g

※日本食品標準成分表2020年版(八訂)にて、計算しています。

おいしく作るための2つのポイント

①キャベツを豚肉の脂で炒める
そのために、豚肉を広げて、フライパンに焼き付けるようにして脂を出します。

②キャベツを入れたら、強火でサッと仕上げる 
まだフレッシュ感が残るぐらいのタイミングで、あらかじめ混ぜ合わせておいた調味料を一度に加えます。火を通しすぎると、キャベツの水分が出て、ベチャッとした野菜炒めになってしまいます。

参考:スローダイエットのルール

短期間で大きな効果を上げようとする〈ファーストダイエット〉には、リバウンドがつきものです。そのため、代謝アップがカギを握る40代以降のダイエットには不向き。ファーストダイエットをすればするほど、結果として太りやすくなってしまうのです。リバウンドを生じさせないためには〈スローダイエット〉を無理なく続けることが求められます。スローダイエットで心がけるのは以下の2点のみです。

①何を食べる:糖質単体の食事にせず、タンパク質と野菜を組み合わせる
②いつ食べる:寝る3時間前までには、食事を済ませる

スローダイエットのルール
イラスト:石松佑梨

タンパク質量:20g

タンパク質は筋肉の材料として代謝を維持するだけではなく、代謝酵素、消化酵素、ホルモンなどの材料としても、深く代謝に関わっています。タンパク質の必要量は人によって異なりますが、厚生労働省が推奨する1日の摂取量は、成人男性で65g、女性で50gです。これを3食で分けると、タンパク質をしっかり摂りづらい朝・昼食で各15gずつ、夕食で20gを目指すことで、無理なく確保できます。

20gのタンパク質摂取は、筋肉の合成を促進するのに効果的な量であるとともに、胃腸への負担が少なく、効率的に消化吸収できる量です。さらには、20g程度のタンパク質を摂取すると、満腹感を得やすくなり、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。

野菜量:100~150g

厚生労働省が推奨する1日の野菜摂取目標量は350gです。これは、必要なビタミン、ミネラル、食物繊維を十分に摂取するためには、1日あたり350g以上の野菜が必要とされているからです。これを3食で分けると、野菜をしっかり摂りづらい朝・昼食で各100gずつ、夕食で150gを目指すことで、無理なく確保できるでしょう。

ビタミン、ミネラルが不足すると代謝がうまくすすみません。また、食物繊維は腸内環境を整えることでスローダイエットを支えるでしょう。

毎月、タンパク質と野菜の必要量(タンパク質20g、野菜100~150g)が確保できる簡単レシピを紹介しています。
ぜひお試しください。

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石松佑梨

石松佑梨

サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。



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