ほうれん草のアク抜きは必要?アク抜きしないとどうなる?電子レンジでアク抜きできる?栄養士が回答

 ほうれん草のアク抜きは必要?アク抜きしないとどうなる?電子レンジでアク抜きできる?栄養士が回答
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ほうれん草はおひたしやソテーなど様々な料理に使われており、家庭料理には欠かせない野菜です。今回は、ほうれん草の簡単な下処理の仕方についてご紹介いたします。

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ほうれん草の洗い方

1.ほうれん草の根を切り落とし、根元が太い場合は十字に切り込みを入れます。

ほうれん草の根元に切り込みを入れると、火が通りやすくなります。

2.ボウルに水を入れ根元をふり洗いして水気をきり、水を変えて葉の部分も洗います。このとき、根元に土が残りやすいのでしっかりと洗いましょう。

ほうれん草のアク抜きの仕方

最近はサラダほうれん草など、アク抜きをしなくても食べられるほうれん草も出てきました。しかし、基本的にほうれん草はアクが強い野菜のため、調理の前に下ゆでをしてアク抜きをする必要があります。

ゆでてほうれん草のアク抜きをする方法

1.鍋にたっぷりの水を入れて沸騰させ、塩を少々入れます。

2.ほうれん草の根元から入れて葉まで湯につけたら、2~3分間程度ゆでます。

3.ゆであがったらほうれん草を冷水にとって冷やし、水気をしぼって適当な長さに切り分けます。

3分間の加熱でほうれん草のシュウ酸が半減することや食味調査から、ほうれん草のゆで時間は2~3分間程度が良いようです。

また、長時間ゆでたり水にさらし過ぎたりすると、水に溶ける栄養成分が流れ出てしまいます。そのため、サッと短時間でゆでるのがおすすめです。

ゆでる際に食塩を加えると色鮮やかにゆでることができ、シュウ酸のえぐ味を弱める効果もあると考えられています。

塩の代わりに重曹を使う場合

重曹を使用してアク抜きをする場合、塩の代わりに重曹をひとつまみ程度入れてゆでます(水1ℓに対し重曹3g程度)。

重曹を入れてゆでると鮮やかな緑色になり、再加熱や長時間おいても美しい色を保ってくれます。しかし、組織が軟らかくなり歯ざわりも悪くなるため、ポタージュなどミキサーやすり潰して使用する場合に適しています。

ほうれん草のアク抜きは必ず必要?

ほうれん草にはアクの成分としてシュウ酸が含まれています。シュウ酸はたくさん摂取すると結石の原因となってしまいます。また、アク抜きをしないとほうれん草のえぐみが残ってしまい、食味も悪くなる可能性があります。そのため、ほうれん草のアク抜きはしっかりと行った方が良いでしょう。

電子レンジでアク抜きはできる?

ほうれん草に含まれるアクの成分「シュウ酸」は、水に溶ける性質があります。そのため、電子レンジで加熱をしてもアクの成分は残ってしまう可能性が高いです。アクを抜く目的であれば、電子レンジでの調理ではなくお湯でゆでる方法が勧められています。

まとめ

今回はほうれん草の下処理のやり方をご紹介いたしました。ほうれん草はβ-カロテンや葉酸、ビタミン類が豊富で栄養価も高く、健康や美容には欠かせない緑黄色野菜です。ぜひ、調理をする際の参考にしていただければと思います。

【参考文献】

NHKきょうの料理:ほうれんそうのごまあえ

ほうれんそうのゆで調理におけるシュウ酸含量の変化と中学校家庭科教材への活用, 日本家政学会誌,65(7)339-345,2014

農林水産省:ほうれん草のおひたしを電子レンジで調理するとえぐ味を感じたが、茹でた方がいいですか。

ほうれんそうをゆでる,調理科学19(3)190-192, 1986

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AUTHOR

津端奈緒美

津端奈緒美

管理栄養士/ライター。大学卒業後、病院の管理栄養士として栄養指導などに従事しながら社会人学生として修士課程を修了し、現在は博士課程を履修中。ライターとして栄養や健康に関する分野で科学的根拠に基づいた記事やコラムを執筆している。



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