「水をたくさん飲むべき人」とは?管理栄養士が教える、水をたくさん飲んだ方がいい人の特徴3つ

 「水をたくさん飲むべき人」とは?管理栄養士が教える、水をたくさん飲んだ方がいい人の特徴3つ
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私たち人間の体は約60〜65%が水分でできています。水分をとることは健康維持のために大切ですが、その中でも特に水分を多くとった方がいい人がいるのをご存じでしょうか?この記事では、水をたくさん飲むべき人はどんな人なのか、また正しい水分の摂り方や理想的なタイミングをご紹介します。

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一日に必要な水分量とは?水分不足が引き起こすリスクを解説!

一日に必要な水分量は、栄養素と違ってはっきりと決まっているわけではなく、その人の体形、体質、運動量や過ごす環境によって異なります。一般的には普通に生活をしているだけで1日あたり2.4リットル(尿と便で1.6リットル+汗や呼吸で0.8リットル)の水分が失われているのだそうです。

ということは体から失われる水分を補うために、最低でも食事や飲み物から単純に2.4リットルとらなくてはいけません。あくまでも目安の量ですが、食事からは食べ物由来の水分が約1リットル摂取できるので、飲料水からは少なくとも約1.2〜1.3リットルほど飲むのが理想的です。

ちなみに体内から1%の水が失われるとのどが渇き、2%減るとめまいや吐き気、10%減少すると筋肉のけいれんや意識が保てなくなる、20%失われると死に至ってしまうといわれています。水分が不足することで、熱中症や脳梗塞などのリスクも高まるので、毎日の水分摂取が大切なものであるということが分かりますね。

水をたくさん飲んだ方がいい人はこんな人!

では、水分をたくさん飲んだ方がよい人とはどのようなひとなのでしょうか?

尿酸値が高い人

血液の中の尿酸値が7mg/dl以上になると高尿酸血症と診断され、この状態を放置すると尿酸塩の結晶が体内にたまり激痛を伴う痛風発作を引き起こします。日本人には尿酸の排泄がうまくいかないタイプの高尿酸血症が多く、尿酸の排泄を促すために水分を摂取します。高尿酸血症・痛風のガイドラインでは1日2リットル以上の尿量を確保できるような水分摂取の指導が行われています。

尿酸値
尿酸値が高い人は、尿酸の排泄を促すために水分を多めに摂取しましょう。

便秘がちな人

摂取する水分が少ないと便が固くなり、排便が難しくなることがあります。コロコロと固い便や排便時に強くいきまないと出せない方は意識して水分を多くとってみましょう。「便秘=食物繊維」と考えている方も多いと思いますが、食物繊維は体内の水分を吸収して便のカサを増やすため、便秘が気になる方は普段の水分量を意識することが重要です。

肌の乾燥を感じている人

化粧水などで補っても実は角層部分が潤うだけで中までは届きません。肌の内側から潤った状態にするためには水分を適切にとることが大切です。水分を補うことで細胞の中にある余分な老廃物が排出され肌の新陳代謝が促進されます。

水をたくさん飲んだ方がよい人の紹介をしましたが、一日当たりの適正な量を超えて3リットル以上もの水分を毎日のように飲むと低ナトリウム血症のリスクが上がるので気をつけましょう。

水分補給の理想的なタイミング

水分を意識してとるのはなかなか難しい方もいるかもしれません。そういう時は最低でも「寝起き」「体を動かした時」「入浴前後」「就寝前」のポイントで飲むことを心がけましょう。この4つのタイミングは体の中で水分が失われているタイミングです。

また、体を冷やしすぎないようになるべく常温の水を選んだり、一度に大量に飲まないように注意しましょう。飲む水分だけではなく、サラダやスープなどを毎日の生活に取り入れながら食事からの水分も意識できるといいですね。

まとめ

水をたくさん飲むべき人の特徴や水分摂取の理想的なタイミングをご紹介しました。人間にとって水分は生命活動に欠かせない要素ですが、冷たい水ばかりを飲んだり一度に大量に飲むと逆に健康を損ねてしまう場合もあります。排出量と摂取量のバランスを保ちながら、ご自身で続けやすい飲み方を見つけましょう。

 

参考サイト:

健康長寿ネット

高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第3版

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AUTHOR

管理栄養士 野口久美子

野口久美子

管理栄養士/調理師。大学卒業後、保育園栄養士と食品開発の仕事を経てフリーに転身。現在は子育てをしながらライターとしてレシピ紹介や栄養に関する分野でコラムを執筆している。



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