〈干し芋〉ダイエットに有効?あの濃厚な甘みの正体は?栄養価とおすすめの取り入れ方
さつまいもの素朴な甘さがギュッと凝縮された干し芋。ダイエット中のおやつとしても人気の食材です。なんとなく、「体にやさしい」「栄養素もバッチリ摂れそう!」というイメージもありますよね。そこで今回は、実際の干し芋の栄養価に注目し、ダイエット中の上手な食べ方を紹介します。
干し芋ってどんな食べ物?甘みの正体は?
干し芋は、蒸したさつまいもを薄く切り、乾燥させた食べ物です。
素朴な甘さがおいしい干し芋ですが、一般的に砂糖やはちみつなどは使われていません。収穫後のさつまいもをしばらく寝かせたり、時間をかけて乾燥させたりすることで、さつまいも由来の濃厚な甘みが生まれます。
また、干し芋の表面に白い粉が付いていることがありますよね。これは、「麦芽糖」と呼ばれる糖類が結晶化し、目に見えるようになったものです。白い粉がかかった部分を食べると、ほんのりとした甘さを感じます。
麦芽糖のほかにも、干し芋にはショ糖、果糖、ブドウ糖と呼ばれる糖類が含まれています。それぞれがバランスよく存在することで、干し芋特有の甘さが生まれています。
このように、「干し芋にはさつまいも以外のものが使われていない」という点が、健康志向の方やダイエットを頑張りたい方から人気を集める理由のひとつでしょう。
干し芋の栄養価
ここで、干し芋100gあたりの栄養価をみてみましょう。
■干し芋の栄養価(100gあたり)
・エネルギー(カロリー)…277kcal
・糖質…62.5g
・食物繊維…8.2g
・カリウム…980mg
・カルシウム…53mg
また、干し芋100gあたりの栄養価を、さつまいも(皮なし・蒸し)と比較してみると、以下の表のようになります。
干し芋は加工の過程で水分が抜け、カサが減ります。そのため、100gあたりで比較すると、さつまいもより干し芋の方が高カロリー。また、ほかの栄養価も高くなりやすいと考えられます。とくに干し芋には、食物繊維やカリウムが豊富に含まれていることがわかります。
食物繊維
太りにくい体を作るためには、食後の血糖値はゆるやかに上昇するのが理想です。食物繊維は、食後血糖値の急上昇を防ぐ働きがあるため、肥満の予防に役立ちます。また、食物繊維には便秘を予防し、腸内環境を改善してくれる働きも。便秘はダイエットのすすみを悪くしてしまうため、ダイエット中には食物繊維を積極的に取り入れていきたいものです。
カリウム
カリウムには、むくみの原因となる余分なナトリウム(塩分)を排出する役割があります。むくみが続くと、代謝が悪くなり、やせにくい体質になることも。むくみが気になる場合には、そもそもの原因である塩分の摂取量を減らすことにあわせて、カリウムを摂ることも意識してみましょう。
ダイエット中の取り入れ方のポイント
食物繊維やカリウムが効率的に摂れる干し芋。ダイエット中のおやつにぴったりな食材だといえるでしょう。ここでは、ダイエット中における干し芋の食べ方のコツを紹介します。
1日2~3枚ほどが目安
カロリーや糖質はやや高いため、食べすぎには注意しましょう。1日70gくらいまでを目安にするのがおすすめです。
商品によってまちまちですが、干し芋はスライスタイプの場合、大きいもので1枚あたり約40g、小さいもので1枚あたり約20g。スティックタイプだと、1本あたり約10gです。あらかじめ食べる分だけお皿に移しておくと、食べすぎ防止につながるでしょう。
おやつとして栄養補給に!
日頃、スナック菓子やチョコレートなど、脂質や糖質が多いおやつに手が伸びてしまう方は、間食を干し芋にかえてみてはいかがでしょうか。ただし、夜は脂肪をため込みやすいため、食べるのであれば日中がおすすめです。
【参考文献】
・文部科学省,日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
AUTHOR
藤倉詩織
管理栄養士。【予防医療】にかかわりたいという思いから、大学卒業後は健診センターに就職。メタボリックシンドロームや生活習慣病の方への栄養指導・特定保健指導を経験し、現在はフリーランスの管理栄養士・ライターとして活動中。
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