ウォーキングやランニング、有酸素運動の後に食べるべきものは?管理栄養士が解説〈ダイエット×食事〉
「ダイエットをしよう!」と決意してまず思い浮かぶのは体を動かすことではないでしょうか?その中でもウォーキングやランニングなどの有酸素運動は手軽に行えるスポーツとしてチャレンジしやすいですよね。ですが、体を動かすことと同じくらいその後に食べる食事はとても重要です。 そこで今回は、有酸素運動後に食べるべきものや食事のポイントについて解説します。
有酸素運動の後に摂る食事の適切なタイミングは?
有酸素運動の後に摂る食事は、「30分〜60分以内に摂る」のが理想的だとされています。これには運動によって疲れた筋肉を回復させるという目的があります。運動後に体の中のエネルギーが不足すると、人間の体は筋肉を分解してエネルギーを補充し始めてしまうのです。
筋肉が分解されるということは筋肉の量が減ってしまうということなので、「運動しているのに効果が感じられない…」という結果につながる可能性があります。
痩せたいからといって食べないのはよくありませんが、食欲がないのに無理して食べるのも大変ですよね。そんな時は無理をせず、まずはスポーツドリンクや口当たりの良いゼリー、プロテインなどで補いましょう。体調が落ち着いたらきちんと食事を摂ってくださいね。
有酸素運動した後に摂るべき栄養素とは?
では有酸素運動を行った後はどんな栄養素を摂るべきなのでしょうか?ここからは運動後に摂りたい栄養素についてご紹介します。
タンパク質
タンパク質は筋肉の材料として体で利用される栄養素で、肉や魚、卵や乳製品、大豆食品などに含まれます。タンパク質には肉や魚などに含まれる動物性のものと、豆腐や納豆などの大豆食品に含まれる植物性のものがあります。
動物性のものは少量でタンパク質を効率よく摂取できますが、比較的エネルギーや脂質が高めです。一方で、植物性のものはエネルギーが低めでしっかりと食べられるため満足感が高いという特徴があります。ただし、タンパク質は摂りすぎると筋肉増加の効率がよくないという報告もあるので、1日で体重1㎏あたり1.3gまでに抑えましょう。
炭水化物
炭水化物は体を動かすときのエネルギー源になる栄養素で、ごはんやパン、麺類やいも類に多く含まれます。トレーニング後にタンパク質と一緒に摂ることで、疲れた体のエネルギーを補給して筋肉の分解を抑えてくれます。
トレーニングをしているのに結果が出ないという方は、もしかしたら炭水化物が不足しているのかもしれません。ただし、炭水化物も摂りすぎれば体に脂肪として蓄えられてしまうので注意が必要です。
鉄分
鉄分はタンパク質と結合して血液中にあるヘモグロビンの合成を行う栄養素で、赤身の肉やレバー、ほうれん草、小松菜などの野菜に含まれます。有酸素運動を行うと、汗と一緒に鉄分が排出されてしまい鉄分不足になってしまう可能性があります。鉄分が不足すると倦怠感や動悸などの症状が出ることがあるため、鉄分の補給を意識しましょう。
まとめ
今回は有酸素運動をした後に食べるべきものとそのタイミングについてご紹介しました。運動を行うと、体はエネルギー不足の状態になります。エネルギー不足の状態では筋肉を分解してエネルギーを補充してしまうため、運動後30〜60分以内に食事を摂ることが望ましいとされています。食事はタンパク質と炭水化物、鉄分を意識しながらバランスのよい食事を心がけてみてくださいね。
参考サイト:
AUTHOR
野口久美子
管理栄養士/調理師。大学卒業後、保育園栄養士と食品開発の仕事を経てフリーに転身。現在は子育てをしながらライターとしてレシピ紹介や栄養に関する分野でコラムを執筆している。
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