〈硬いお肉が箸で切れるように〉一緒につけ込むだけで肉が劇的に柔らかく…管理栄養士が教える裏ワザ
お肉を調理した時、硬くなったりパサついてしまい、思うように美味しくならなかった経験はありませんか?特に、赤身などの脂身が少ないお肉は硬くなりやすく、ジューシーに仕上げる事は難しいです。今回は、お肉が調理で硬くなってしまう原因と、ある意外な食材を使って硬いお肉を柔らかくする方法について紹介します。
お肉が硬くなってしまう原因
生の状態だと柔らかいお肉でも、火を通すと硬くなってしまうのはなぜでしょうか。その原因は、お肉に含まれるタンパク質の性質にあります。お肉を構成するタンパク質は、大きく分けて3つの種類に分けられます。
- 筋原線維タンパク質
- 筋基質タンパク質
- 筋形質タンパク質
このうち「筋原線維タンパク質」と「筋基質タンパク質」がお肉の硬さに関わります。
筋原線維タンパク質
筋原線維タンパク質は、筋肉の約50%を占めるタンパク質です。加熱するとぎゅっと収縮して硬くなる性質があります。お肉が硬くなる一番の原因が、この筋原線維タンパク質の熱による変性によるものです。
筋形質タンパク質
筋形質タンパク質は、繊維を結合するタンパク質です。代表的な成分にコラーゲンがあげられます。筋形質タンパク質も加熱によりゴムの様に硬くなる性質がありますが、熱を入れ続けると結合組織が弱くなりほぐれやすくなる性質を持つ為、短時間の加熱調理の時のお肉の硬さに関わります。
お肉を柔らかくする方法
筋繊維を壊してから調理する
お肉を硬くする筋繊維を予め壊しておく事で、加熱しても柔らかい状態を保つ事ができます。方法としては、包丁の背などを使ってお肉を叩く、又は筋繊維に対して垂直に包丁を入れる「スジ切り」をすると、加熱しても硬くならずに仕上げる事ができます。
低温で調理する
お肉はだいたい60度を超えた頃から段々と硬くなり始めます。その為、少し時間がかかりますが60度を超えない低温でじっくり熱を入れると柔らかい状態のまま調理する事が可能です。
お肉を柔らかくする食材を使って調理する
食材の中には、タンパク質を分解する酵素を豊富に含むものがあります。お肉を硬くする原因はタンパク質の性質によるものなので、タンパク質分解酵素を含む食材を一緒に使えばお肉を柔らかくする事ができます。タンパク質分解酵素を含む食材はいくつかありますが、その中でもおすすめの食材は「舞茸」です。舞茸にはプロテアーゼというタンパク質分解酵素が豊富に含まれています。お肉と舞茸を一緒に漬け込むと、漬け込んでいる間にプロテアーゼがお肉のタンパク質を分解してくれます。その為、加熱しても硬くならず柔らかくて美味しいお肉を食べる事ができます。舞茸は殆どのスーパーで手軽に手に入れる事ができますし、舞茸の旨味が美味しさを増してくれる為おすすめです。是非、一度試してみてください。
AUTHOR
芳賀恵
大学卒業後、サプリメントの企画開発の企業やスポーツメーカーの企業に勤め、アスリート向けのサプリメントを中心に、美容健康向け商品等の企画開発の仕事を経験。その後はフリーとなり、アスリートへの食事サポートや、今までの自身の経験を元にしたサプリメントの情報や食についての発信を行う。
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