近年注目されている意外な食材も?大腸がんのリスクが高まる3つの食事とは|管理栄養士が解説
がんは意外と身近な病気。現代において、がんにかかる可能性は男性2人に1人、女性は3人に1人と言われています。その中でもとくにのが、男女ともに「大腸がん」です。 今回は、毎日の食事から体の健康を守るため、大腸がんのリスクを高めてしまう可能性がある食事について、管理栄養士が詳しく解説します。
大腸がんはどのような病気?
大腸がんは大腸(結腸・直腸)に発生するがん。早期の段階では病状があまりないため気が付かずに進行していることが多いですが、血便や下痢と便秘を繰り返したり、便がほそくなったりといった症状がでます。また、自覚症状が出てきた時には大きく進行している可能性があります。
日頃の生活習慣での予防や、早めの検査が大切です。
なぜ大腸がんは増えているのか?
大腸がんは近年著しい増加を見せており、私たちの食生活習慣と深く関係しているのではないかと言われています。主に食事の欧米化や運動習慣・アルコールなどがあげられます。食生活や運動は毎日私たちが無意識に生活していることも多いです。
今回は、知らずに自分の生活が大腸がんになりやすい状況を作っていないか、どのような食生活習慣が大腸がんのリスクを高めるかをチェックしてみましょう。
大腸がんのリスクを高める食事とは?
高脂肪食
私たちは脂肪を体の中で消化分解するのに、胆汁という消化酵素を利用しています。
しかし、近年高脂肪食の生活習慣が多い方はこの胆汁の量が多くなり、その胆汁が腸内細菌により変化し、二次胆汁酸に変わることで大腸がんのリスクを高めることが近年わかってきました。
日本食を中心とした適度な脂質のメニューや、蒸し料理や湯で料理などの調理油を使用しない調理方法もオススメです。
赤身肉や加工肉
日本人を対象とした研究で肉の摂取量と大腸がんの関係の研究報告があり、赤身の肉や加工肉の摂取量が多い食生活習慣の人は大腸がんのリスクを高める可能性があるとしています。タンパク質ブームで肉を意識して多く食べる方も増加しておりますが、消化の負担やがん予防には適量の習慣が大切です。
飲酒
飲酒が大腸がんを引き起こす詳しいメカニズムはまだはっきりしていません。アルコールの副産物が影響しているのではないかと言われています。
また、アルコールの1日の摂取量は日本酒1合・ビール500ml1本程が目安の量となっております。もちろん全体的な飲酒量を減らすことも大切なので、週2日〜3日程度の休肝日を持つことも重要です。
管理栄養士からのコメント
年齢が高くなるにつれて大腸がんにかかる割合も多くなっています。食生活で洋風のメニューが多い方や牛肉や豚肉などの赤身肉を食べる頻度が多い方は、日本食の定食スタイルの食事や魚のメニューを意識して食事メニューへ取り入れてみましょう。
〈参考〉
・がん情報サービス「大腸がん」
・厚生労働省 政策レポート がん対策について
・生活習慣病としての大腸癌:冨木 裕一, 坂本 一博, 鎌野 俊紀
・Pham NM, Mizoue T, Tanaka K, Tsuji I, Tamakoshi A, Matsuo K, Wakai K, Nagata C, Inoue M, Tsugane S, Sasazuki S; Research Group for the Development and Evaluation of Cancer Prevention Strategies in Japan. Meat consumption and colorectal cancer risk: an evaluation based on a systematic review of epidemiologic evidence among the Japanese population. Jpn J Clin Oncol. 2014 Jul;44(7):641-50. doi: 10.1093/jjco/hyu061. Epub 2014 May 19. PMID: 24842864.
AUTHOR
竹内寿美恵
保育園栄養士、スポーツ栄養士、国立病院にて臨床栄養を経験。さまざまな経験を積む中で、ストレスの軽減をし、心身共に幸せな生き方をしたいと心に決める。 そのために『食×栄養×ヨガ』を組み合わせたホリスティックな知識をより深く学ぼうとインドネシア、バリ島にてベジタリアン、ヴィーガン、ローフード、ヨガ栄養学の留学をする。 現在は栄養カウンセリング、ヨガインストラクターなどフリーランスの管理栄養士として活動。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く