「酢を飲むと体が柔らかくなる」なぜ言われるようになったの?管理栄養士が伝えたい、酢の本当のチカラ

 「酢を飲むと体が柔らかくなる」なぜ言われるようになったの?管理栄養士が伝えたい、酢の本当のチカラ
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「酢を飲めば体が柔らかくなる」と聞いたことがあるかもしれません。しかし、本当に酢で体が柔らかくなるのでしょうか?なぜそんなふうに言われるようになったのでしょうか。今回は酢と体の柔軟性についてお伝えします。

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酢を飲むと体が柔らかくなるってほんと?

「酢を飲むと体が柔らかくなる」ってほんと?酢の効果を管理栄養士が解説
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「酢を飲むと体が柔らかくなる」と聞いたことがあるかもしれませんが、実は…酢を飲んでも体が柔らかくなるわけではありません。体を柔らかくする目的で酢を飲んでいる方は、体の柔軟性と酢に関係性がないことにがっかりしてしまうかもしれませんね。

しかし「酢」そのものは疲労回復や血糖値の上昇抑制などの効果があります。「体を柔らかくする効果がないなら酢の摂取をやめよう」と思わず、料理に使ったりお酢を使ったドリンクを飲んだりするのはぜひ続けてみてくださいね。

なぜ「酢を飲むと体が柔らかくなる」といわれるようになったの?

「酢を飲むと体が柔らかくなる」ってほんと?酢の効果を管理栄養士が解説
illustration by なつめももこ

「酢を飲むと体が柔らかくなる」といわれるようになったのは「酢にはたんぱく質を分解させたりカルシウムを溶かしたりする性質がある」といった点からだと考えられます(諸説あります)。料理をするときに魚の骨を酢につけて柔らかくすることがありますよね。南蛮漬けやいわしの梅煮、煮物などは酢を使って骨ごとおいしく食べられる料理です。「酢を使うと魚料理の骨が柔らかくなる」=「酢を飲むと骨が柔らかくなる」といった間違ったイメージで広まってしまったということですね。たしかに、かたくて噛めない魚の骨が酢の力で柔らかくなると、なんだか人の柔軟性にも効果がありそうと思えてしまいますね。

酢を飲むと、どうなるの?

「酢を飲むと体が柔らかくなる」ってほんと?酢の効果を管理栄養士が解説
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酢には体の柔軟性を高める効果はありません。しかし食後血糖値の上昇抑制、内臓脂肪の減少、血圧低下作用などお酢にはさまざまな体によいメリットがあると言われています。また、調味料に酢を使用することで醤油の量を減らして塩分をカットできるので、減塩をこころがけている方には酢を使った料理がおすすめです。以上のように、酢の力で煮魚の骨が柔らかくなるように人の柔軟性が高まる…とは言えませんが、酢は日常的に摂取したい調味料なのです。

しかし、摂りすぎはNG。1日に摂取する酢の目安量は大さじ1〜2杯程度。酢の摂りすぎは胃を荒らす原因となります。また、飲みやすい「お酢ドリンク」には砂糖がたっぷりと入っている商品があり、知らないうちに糖分を摂り過ぎてしまうかもしれません。酢の摂り過ぎ・飲み過ぎには注意しましょう。

酢そのものには体を柔らかくする効果はないので「ヨガのための柔軟性を高めたかったのに…」とがっかりされてしまうかもしれません。しかし、酢は適量を摂取することで体によい効果があります。徐々にヨガに慣れていくように、ぜひ毎日少しずつ酢を摂る習慣を続けてみてくださいね。

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AUTHOR

なつめももこ 管理栄養士

なつめももこ

管理栄養士/Webライター/イラストレーター。管理栄養士として病院に7年間勤務。出産を機に「子どもとの時間を大切にしながら働くこと」を目標にフリーランスのWebライター&イラストレーターとして活動開始。現在は栄養に関する記事を執筆するほか、未経験からイラストレーターになる方法について発信している。



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