40代男性向け「訳もなく涙が出る」時の対処法。呼吸を数えて辛い記憶と距離をとる【カウント呼吸法】

 40代男性向け「訳もなく涙が出る」時の対処法。呼吸を数えて辛い記憶と距離をとる【カウント呼吸法】
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ビジネスマンとして多忙を極めていた頃、無理が重なりうつ病と診断された経験を持つ、40代ヨガ講師・吉本憲太郎さんによる連載。ヨガに出合い、本来の自分を取り戻した経験から、心の痛みに寄り添える吉本さんの視点で、働く世代の心が軽くなる物の見方、考え方をアドバイス。実体験をもとに効果を感じた、体から心にアプローチする「お悩み解消ワーク」も紹介します。

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ちゃんと向き合うと、理由のない涙の”理由”が見えてくる

―理由もなく流れる涙は、大人特有の涙という感じがします。吉本さんは、そんな涙を流したことはありますか?

「僕は誕生月がちょっと苦手で、なぜかというと同じ月に家族と別れているので、その月が巡って来ると悲しい記憶とリンクして無意識に涙がこぼれます。ほかにもある曲を聞くと、それが流行っていたときに経験した切ない出来事が呼び起こされて、パンドラの箱が開くみたいに閉じ込めていた感情が涙として表に出るとか。引き金となる記憶の量が多い大人ほど、”理由のない涙”に泣かされるかもしれませんね」

―この涙は良くないものでしょうか。泣かないようにセルフコントロールするべき?

「嬉しくても悲しい涙であっても、泣くという行為は悪くないというのが大前提です。悲しい涙でも泣くことで気持ちがすっきりして、浄化の涙として働くこともありますからね。ただ、いつも同じタイミングで涙が出て、不安や悲しみが呼び起されて辛いなら、なぜこのタイミングで泣くのか向き合って整理してみましょう。理由もなく涙が出ると思っていても、紐解いていくと実は理由があったということはよくあります。または、今回紹介する記憶と距離を置く『カウント呼吸法』を試してみましょう」

辛いときは、第三者の力を借りて心の整理に踏み切って

―記憶を辿りしまっていた涙の理由を探る、現実と向き合うこの作業自体を辛く感じる人もいるのでは。冷静に記憶と向き合う方法はありますか?

「一人で思いを巡らせると主観的な考え方になり、自分は弱いとか、寂しい人間だとか、自責に走りがち。だから、冷静に話しを聞いてくれる第三者に胸の内を語ると、たとえアドバイスをもらわなくても聞いてもらうだけで心の整理がつく場合があります。何かを解決するというより、記憶に絡みついた緊張の糸をゆるませるというか、あるいは記憶の濃度が下がり息苦しさから解放されるとか。アウトプットしてそんな感覚が得られると、楽な気持ちで向き合えると思います。一人じゃないと実感ができる瞬間は自分を助けてくれますし、ネガティブな涙もいずれポジティブな涙に変わるという希望を与えてくれます」

辛い記憶と距離を置く「カウント呼吸法」

5カウントずつ吸う、吐くを繰り返す呼吸法。頭の中で呼吸数をカウントすることに集中すると、意識が辛い記憶に引っ張られなくなる。また、吸う息と吐く息の長さを揃えると、交感神経と副交感神経のバランス調整にも効果的。

カウント呼吸法

目的と効果:過去の出来事と距離を置きたいとき、呼吸を数えて意識を今に向けてマインドフルネスな状態を作る。

1.椅子に座り、両膝の下に足首をセットし、手は手のひらを上に向けて腿の上。背筋を伸ばして目を閉じ、息を吐きながら頭の中で5カウント数える。息を吸いながら、頭の中で5カウント数える。

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NG

背中が丸まり胸を開けないと、呼吸が浅くなるので背筋を伸ばして行って。

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〈プロフィール〉

吉本憲太郎さん
ヨガ指導者、「..with THE CLEAR YOGA」主宰。会社員を経て、自分が苦しんだ経験を含めヨガの魅力を伝えるべく、ヨガ指導者の道へ。熊本にオープンした自身のヨガスタジオでは、ビギナークラスからOMYOGA認定校として指導者養成講座(全米ヨガアライアンスRYT200)も開催。月に一度の屋外クラスでは、ドネーションを募り熊本の自然環境保護団体に寄付している。https://with-the-clear-yoga.jp/、Instagram:@kentarouyoshimoto

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取材・文/北林あい

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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