「ま、いいや…」はたんぱく質不足のサイン?たんぱく質がメンタルに及ぼす影響を管理栄養士が解説

 「ま、いいや…」はたんぱく質不足のサイン?たんぱく質がメンタルに及ぼす影響を管理栄養士が解説
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「やる気がおきない」「すぐ諦めてしまう」ことが増えていませんか? もしかしたらその原因は【たんぱく質の不足】かもしれません。たんぱく質が私たちのメンタルに及ぼす影響について、管理栄養士・金津里佳さん著書「9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方」 (青春出版社)より 一部抜粋してお届けします。

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「ま、いいや……」は、たんぱく質不足のサイン?その理由とは?

たんぱく質不足というと、多くの方が、身体の不調と関係しているものとイメージされるでしょう。しかし、たんぱく質不足は、メンタルにも大きな影響を与えます。私自身、栄養に無頓着だった若い頃は、いつも頭がぼんやりしていて、やる気のない、なんでもすぐに諦めてしまう人間でした。それが自分の生まれ持った〝性格〟だと思っていたのですが、今考えると原因はたんぱく質をはじめとした栄養素の不足によるものだったと思います。なぜたんぱく質が不足すると、やる気のない人、諦めの早い人になってしまうのでしょうか。それは、ドーパミンをはじめとした、神経伝達物質やホルモンが深く関係しています。ドーパミンは、意欲や集中力、学習や記憶といったことと深く関わっている物質。

ドーバミン
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目標が達成されたときなど、ドーパミンが出ることによって脳が「快感」を覚えます。その結果、人は、次の行動への意欲を高めていくのです。ドーパミンが自動的にきちんと分泌されていれば、世の中の人は誰もが意欲があってやる気マンマンになるはずですね。しかし実際には、そんなことはありません。ドーパミンをはじめさまざまな神経伝達物質やホルモンの生成量・分泌量は、個人差がとても大きいのです。そうした差を生む大きな原因のひとつが食事です。ドーパミンは最初から私たちの体内に備わっているわけではなく、口から摂った栄養素を原料にして体内で生成されるものだからです。そのもっとも重要な原料が、たんぱく質です。また、ビタミンB群や鉄も併せて必要です。

このように、たんぱく質不足をはじめとする栄養素の不足は、意欲や集中力の低下に大きく影響します。きちんと食事でたんぱく質が摂れている人は、ドーパミンが適正に分泌され、常にやる気があるわけですから、本来持っている実力が十二分に発揮され、仕事もプライベートもうまくいくことが多いものです。

反対に、食事でたんぱく質が十分摂れていないと、やる気が出ない→仕事でもプライベートでもなかなか自分の力を発揮できない→食事に対してさえ意欲がわかない→ますますたんぱく質が摂れなくなる、という図式が成立してしまいます。

ドーバミン
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物事に対して「ま、いいや……」という考えが頻繁に浮かぶようになっているなら、食事の見直しが必要かもしれません。もしかしたら、あなたの意欲のスイッチは、食事の中にあるかもしれないのです。市販のエナジードリンクなどでは到底かなわない、あなた自身の意欲スイッチを、食事を改善することでONにしてください。本来の自分のパフォーマンスが発揮できていないなんて、とてももったいないことです。自分の実力を発揮するために職場や環境を変えることは難しいかもしれませんが、食事を変えることなら、今日からできます。

たんぱく質
「9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方」 (青春出版社) 

この本の著者/金津里佳

1970年沖縄県生まれ。北陸学院大学短期大学部食物栄養学科卒業。医療法人美健会ルネスクリニック東京・管理栄養士。産科婦人科、人工透析科、栄養療法を主とする自由診療クリニックでの勤務を経て、2019年より現職。「人の身体はみな同じではない」ことを常に意識して、日々の栄養カウンセリングに臨んでいる。

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ヨガジャーナルオンライン編集部

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ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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