日本の雅で世界を魅了するスキンケアブランド「ORIFUSI」の地球環境への想いと美の哲学

セレブ御用達世界的メイクアップアーティスト、シャーロット・ティルベリーが自身のコスメブランドで“シートマスク”を発売するなど、海外のコスメ市場がいまだ根強い関心を寄せる日本発祥のビューティ。そんな中、満を持してシートマスクでデビューした「ORIFUSI」が、J-ビューティのニューウェーブとして大きな注目を集めている。

ブランドコンセプトを吉田兼好の著書「徒然草」の第十九段「折節の移り変わるこそ、ものごとにあはれなれ」に由来するORIFUSIは、主成分に日本古来の“和ハーブ”を採用。その確かな実力、先進科学が生んだマスク素材、そして雅やかな世界観が今美のプロを中心に着実にファンを獲得している。そこで今回は、ORIFUSIブランドディレクターの内藤早央里氏に、ブランド誕生の背景と取り組みについて伺った。

日本古来の思想に由来するスキンケアブランド

——現在「ORIFUSI」は、世界でも人気のJ-ビューティのニューウェーブとして注目を集めていますが、まずはブランドについて教えてください。

「ORIFUSI」は、ひとりひとりの日々の肌に寄り添い、自然な美しさを引き出すために誕生したブランドです。この「ORIFUSI」＝“折節”という言葉は“そのときどき”を意味し、鎌倉時代の文筆家・吉田兼好の著書「徒然草」の第十九段に「折節の移り変わるこそ、ものごとにあはれなれ（＝季節が移り変わっていく様子こそ、なにごとにつけても趣深いものである）」とあります。

肌も季節と同じように調子が良かったりなんとなく乾燥したり、日々揺らぎやすく、年齢に応じてゆっくり変化もしていきます。そんな肌と付き合いには、時に悩むこともありますが、どんな肌状態にせよ、一生共にする自分だけのいとおしい“肌”です。

折節（そのときどき）の肌を適切にケアし、ベストと思える状態に整え、重ねていく年齢さえも楽しみながら、個々の自然な美しさを引き出していくーそんな思いが、この「ORIFUSI」には込められています。

そして、ブランド設立にあたり着目したのが「和ハーブ」です。和ハーブとは、江戸時代以前より、日本各地で有用されてきた植物の総称で、日本に自生する植物や伝統的な薬草を指し、“身土不二”の考えに基づき古くから活用されているものです。

身土不二（しんどふじ、しんどふに）とは、仏教由来の考え方で「人の身体と生まれついた土地とは、ふたつと分けられない」という意味があります。言い換えると“自分の住む土地にあるものが自分に最適である”という意味で、このことから日本人の肌は日本の気候や環境・風土に適応してきたため、日本産の植物が最も相性が良いとされます。同時に和ハーブには高い保湿・抗炎症作用があり、香りは心を癒してくれる効果があることから、「ORIFUSI」では、この力を最大限に引き出すため、肌に不要な成分を極力避けつつ、保湿成分や美容成分が肌全体に届き渡る処方と素材にこだわりながら商品を企画・開発しています。

——化粧品と環境という視点から独自でどのような取り組みをしていますか？

「ORIFUSI」は、化粧品と環境という視点から以下のような取り組みをしています。

・肌に不要な成分は極力配合しないシンプル処方へのこだわり：
例えば、着色料、鉱物油、合成香料、パラベンなどの防腐剤などは配合していません。これは、肌にやさしいだけでなく、廃棄後に自然に戻す際、生態系を守るためにも重要なことです。

・日本産の成分へのこだわり：
和ハーブや日本米エキスなど、国産の植物を使用することで、肌へのベネフィットを追求するのみならず、国内原料の使用により、国内の農業や産業を応援するとともに、輸送によるCO2排出量の削減もできます。

私がこのような取り組みを始めようと思ったきっかけは、私自身が環境問題に関心があったことと、化粧品業界におけるサスティナビリティの重要性を感じたことです。私は、以前からエコバックの使用、フリマアプリ利用にて廃棄物削減、節水や節電など日常生活で環境に配慮するよう心がけてきましたが、化粧品においては、どうしても容器や包装が多くなってしまうことが気になっており、化粧品業界でも環境に優しい取り組みができないかと考えるようになりました。近年では消費者の方々の環境問題に対する意識が高まっており、化粧品選びにおいても成分や原料の安全性や生産過程の透明性などを重視する傾向にあります。このようなニーズに応えるブランドとして「ORIFUSI」を設立し、現在環境に配慮した取り組みを積極的に行っています。

——成分的に環境に配慮している点は何でしょうか？

「ORIFUSI」は、成分で環境という視点から以下のような取り組みをしています。

・「ORIFUSI モイストバイオセルロースマスク」は成分の98％が天然由来です。
和ハーブや日本米エキス、プルラン、トレハロース、ベタインなど、天然由来の植物成分を配合し、肌にも環境にも優しい成分にこだわり、廃棄後も土壌や水質の汚染を防ぐことに貢献します。

・バイオセルロースシートは、植物由来の天然素材で作られており、生分解性が高く、廃棄後は自然に戻る環境衛生素材です。

・パラベンや合成香料、合成着色料などは使用していません。これらの成分は、肌に刺激を与えるだけでなく、生物に蓄積されることで生態系に影響を与える可能性があります。これにより、生物多様性の保護に貢献します。

そして、消費者の皆さまにとっても、このような「ORIFUSI」の取り組みを通じて、美しさと環境保護の二つの価値を両立させることができると信じています。

——化粧品を開発する上で、もしくはコンセプトを立ち上げる時点で何か困難なことはありましたか？

コンセプトを掲げ、その上で化粧品開発を進めていく過程でいくつかの困難がありました。その一つが、和ハーブ、日本米、植物由来の保湿成分などの自然素材をメインに、肌への優しさと効果を両立できるか、という点です。この課題には、ORIFUSIブランド立ち上げに携わる方々、私の家族や社員の家族、友人にも協力いただき、試作品を使用してアンケート調査を行いながら、その都度改良に努めました。

また、豊富な植物由来成分を扱うことからアレルギー反応が起きる可能性があるという課題もありました。そこで、アレルギーなどの肌トラブルが起きないか、敏感肌の方も使えるか、という観点から敏感肌パッチテストを実施する専門業者にも開発時に入っていただき、あらゆる肌質に対応する処方を完成させました。

さらに、シンプル処方を目指し、肌に不要な成分は極力配合しないという方針を固めた一方、肌への使用感、香りの良さ、防腐力などをクリアするため、研究と試作を重ねながら、日本人の肌の特性やニーズに関しても、様々な角度から調査や分析を行いました。

そして、和ハーブの知識や知見に関しては、一般社団法人和ハーブ協会にご協力いただきました。和ハーブにはそれぞれの効果効能があり、肌に対するポジティブな効果があるものでも、一方では毒性があったり効能が強すぎるものもあります。ですから、「ORIFUSI」では専門家を通して厳選した和ハーブのみを配合しています。

——化粧品のブラントとしてユニークな環境への取り組みはありますか？

「ORIFUSI」は一般社団法人和ハーブ協会認定の化粧品ブランドで、この認定を受けている化粧品ブランドは現在「ORIFUSI」のみです。和ハーブ協会とは、日本の風土に育ち、日本人が古くから活用してきた有用植物を「和ハーブ」※と名づけ、価値を再発見する活動を通じて、日本人のための新しいライフスタイルを提案する団体です。「ORIFUSI」は、和ハーブ協会が開催する社会活動に参加し、日本の自然、植物を守り、後世にも和ハーブを伝承していくことに取り組んでいます。

※“和ハーブ®︎”は、一般社団法人和ハーブ協会の登録商標で、認定を受けているブランドのみ使用できます。

また、「ORIFUSI」の配送箱は、自宅で便利グッズとして再利用できる仕様になっています。通常、配送箱は開封したら捨ててしまうものですが、この箱に切り込みや点線や折り目を入れて簡単に組み立てるようにしました。穴にフックを通して吊るしたりできることから、写真立てやフェイスマスクケース、スマホやメモ帳、メイクパレットなど様々な収納に使用することができます。このような環境に配慮した工夫や仕組みは、今後も実践していきたいと思っています。

ヨガするオールジェンダーにおすすめのアイテム

「「ORIFUSI モイストバイオセルロースマスク」は、日本米などの和ハーブの天然由来の美容成分や保湿成分を豊富に配合した美容液をたっぷり含んだバイオセルロース素材のシートマスクです。プルプルとしたバイオセルロースが肌にピタッと密着し、保湿成分や美容成分が肌全体を満たしながら、みずみずしくハリのある肌へと導きます」（内藤さん）。７種の和ハーブエキスの優れた抗炎症作用で、スポーツやヨガで水分が失われたり、汗で皮脂過多になった肌の水分と油分のバランスを整えながら、ニキビや肌あれなどの炎症が起こりにくい肌に。凛とした爽やかさの中にほのかな甘さを感じるクロモジの香りに包まれながら、自分自身と向き合って心も肌もリフレッシュを。