スポーツドリンクと経口補水液、飲み過ぎると体に悪い?違いと正しい使い分け方を管理栄養士が解説
夏になるとさまざまなタイプのスポーツドリンクや経口補水液が店頭に並んでいます。 名前や味がなんとなく違うのはわかるけれど、正しい使い方や詳しい成分を理解することで、夏場のドリンクの有効な使い分けができるようになります。
スポーツドリンクと経口補水液の違いとは
スポーツドリンクは水分やカルシウムやマグネシウム・ミネラルだけではなくエネルギー源である砂糖や果糖を体の中に取り入れる事ができる飲み物です。一方、経口補水液もナトリウムやミネラル、糖分をスポーツドリンク同様に含んでいますが、一番の違いは体の体液と同じ浸透圧を持つため、スポーツドリンクより体に取り込まれるスピードが早く、電解質濃度も高いことです。スポーツドリンクは甘味をしっかり感じることができますが、経口補水液は塩分が多く含まれるため塩味を強く感じます。
どうやって使い分けるのがよい?
スポーツドリンク
スポーツドリンクは水分や塩分だけでなく消費されているカロリーも補えるため使い方としては、激しい運動や長時間で大量に汗から塩分やミネラルが失われた時に使用するのがおすすめです。
経口補水液
日常生活での発汗であれば水やスポーツドリンクからの電解質を体内に取り入れる事で十分とされていますが、発熱・下痢嘔吐などから起こる脱水やお食事の量が少なくなってしまったことで起こる脱水・熱中症など軽度から中等度の脱水症に経口補水液は有用です。
飲み過ぎたらどうなるの?注意点も知っておきましょう!
スポーツドリンク
スポーツドリンクはエネルギー補給をするという目的もあるため、砂糖を多く含みます。水やお茶のように1日を通して少しずつ飲むと虫歯になる可能性があります。そのほか必要以上のスポーツドリンクの飲み過ぎは肥満や糖尿病に原因になるので注意が必要です。
経口補水液
経口補水液は一時的に大量に飲むことでナトリウムの過剰摂取になる可能性もあります。高血圧の方や腎臓・心臓などの治療をされている方は主治医に飲む量の確認が必要です。
管理栄養士からのコメント
同じように思えるスポーツドリンクと経口補水液ですが、目的が異なることがわかります。どちらも体にとって大切な成分を含んでいますが、使用するタイミングを考慮して使い分けることで、その効果を最大限に引き出すことができます。最近はスポーツドリンク・経口補水液ともにゼリータイプも販売されており、液体かゼリーかを選ぶことで、ご自身の体調や飲み込みの状況に合わせて使い分けることができます。日々の生活環境に合わせて、意識的に使い分けてみましょう。
参考:農林水産省
AUTHOR
竹内寿美恵
保育園栄養士、スポーツ栄養士、国立病院にて臨床栄養を経験。さまざまな経験を積む中で、ストレスの軽減をし、心身共に幸せな生き方をしたいと心に決める。 そのために『食×栄養×ヨガ』を組み合わせたホリスティックな知識をより深く学ぼうとインドネシア、バリ島にてベジタリアン、ヴィーガン、ローフード、ヨガ栄養学の留学をする。 現在は栄養カウンセリング、ヨガインストラクターなどフリーランスの管理栄養士として活動。
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