【お悩み相談】「夏、あせもが悪化して辛い。防ぐには?」 #毒出し保健室

 【お悩み相談】「夏、あせもが悪化して辛い。防ぐには?」 #毒出し保健室
Photo by Romina Farías on Unsplash

アーユルヴェーダの中で大切にされている考え方をシンプルに言うと、"体に毒を溜めない/毒を排出する"という『毒出し』。「大きな声ではちょっと言えない」「身近な存在の人には知られたくない」と言った悩み事を抱えていませんか? 体調や心の悩み、人間関係やら恋愛、夫婦やパートナー間のあれこれまで、皆さまの悩ませている毒を溜めずに排出するべく、アーユルヴェーダアドバイザー/ヨガ講師の桑子麻衣子がアーユルヴェーダとヨガの智慧をベースにお悩みに答えます!

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今回「毒出し保健室」を訪れてくれたのは、あせもにお悩みの大学1年生のKさんです。もともと汗っかきではあるものの乾燥肌だというKさんですが、お話を聞いてみると夏以外にもあせもの症状が出ることがある言います。原因と対策について考えてみました。

【お悩み相談】「夏のあせも悪化を防ぎたい」

桑子: こんにちは!今日はどんなお悩みでしょうか?

Kさん:  毎年夏はあせもで悩まされています。今年も、すでに出はじめていていて…どうにか悪化を防ぎたいです。

桑子: 辛いですね。具体的にどんな部位に、どんな症状が現れることが多いですか?

Kさん: 見える部分だと、首の周りや、肘の内側に、赤みをもった小さなポツポツが現れることが多いですね。強い痒みがあって、熱帯夜なんかは無意識に掻きむしっていることもあります。洋服で隠れていますが、下着の下なんかも同じような症状がでます。

桑子: 汗はかきやすいですか?

Kさん: はい。暑がりで、汗っかきです。

桑子:  夏以外にあせもが出ることはありますか? 

Kさん: 夏が一番ひどいですが、他の季節もありますね。

桑子: 気温が高い日でしょうか?それとも、こんな時にでやすいということに気づくことはありますか? 

Kさん: 夏は気温が高くなってくると出ます。それ以外ですと…冬場の寒い時期にも出ますね。

桑子: お肌は乾燥しやすいですか?

Kさん: はい。乾燥肌です。

アーユルヴェーダアドバイザーのアドバイス

あせもの原因 

夏の間、肌トラブルの中でもあせもに悩まされる方は多いのではないでしょうか。

あせもは、汗をかきすぎたり、高温多湿の気候にさらされている人によくみられる症状で、汗腺や汗管が閉塞して汗の分泌が阻害されることで発症すると言われています。このため、汗が真皮や表皮に逆流し、赤くかゆみのある発疹が生じるというわけです。 

また、Kさんのように夏以外にもあせもが出るという方も少なくありません。これは、季節的にお肌が乾燥して痒みが発症したり、疲れや寝不足から肌トラブルを招いていることで肌が乾燥している可能性大。

以下のような症状や習慣は、あせもを引き起こしやすいと言われていますので、注意して下さい。

・多汗症

過剰な発汗を伴う疾患。余分な汗が蒸発しきれずに皮膚の下につまると、あせもを伴うことがあります。

・暑い気候

高温多湿の気候は、発汗を頻繁に引き起こし、あせもを引き起こすことがあります。

・過度の運動

激しい運動は体温を上昇させます。体は発汗によってこの熱を下げ、最適な体温を保とうとします。しかし、長時間の運動はあせもを引き起こす可能性があります。

・洋服の締め付け

ポリエステルやナイロンのような疎水性素材の衣服は、汗を皮膚に閉じ込めます。さらに、ぴったりとした衣服は摩擦を引き起こし、余分な角質を作り、毛穴や汗腺を塞いでしまうことも。ヨガウェアや下着の締め付けにも要注意。

・妊娠/更年期

妊娠中はホルモンの変動により、体温が上昇します。このため、あせも(発疹)ができることがあります。また、更年期にはホットフラッシュと呼ばれる体温の急激な上昇が起こり、じんましんや発疹を誘発することがあります。

現代的な薬物療法では、この症状を即効的に解決してくれるものも多くありますが、ホリスティックなアプローチをしなければ、あせもは再発しやすいとも言われています。アーユルヴェーダの知恵を参考に、あせもに対処するご自宅でできるセルフケアと食事方法をご紹介しますね。

あせも対策、何をすればいい?

英語では、あせものことをHeat Rashes(”熱”湿疹)と言います。このネーミングからも分かる通り、あせも対策の鍵を握るのは”熱”対策というわけです。アーユルヴェーダ的なお話をすると、夏は”熱”のエネルギーが高まりやすい時期。気温があがり、暑くなるということからも分かりやすいのではないでしょうか。アーユルヴェーダでは、「相反するものがバランスをとる」というシンプルな考え方があります。熱の反対は”冷”。つまり、症状のある部位を冷やすことがセルフケアとなります。以下は、クールダウンするためのセルフケアチップです。ぜひ参考にして下さい。

・冷湿布

1日2~3回、氷のうで湿布すると、あせもに伴うチクチク感を軽減することができることがあります。また、冷たいシャワーを浴びることで、体の熱を下げ、患部のあせも症状を落ち着かせることができるので症状がある部位を冷やしてみましょう。

・メントール

ハッカ油から抽出したメントールを塗布すると、あせもにかかった部位の灼熱感を防ぐことができると言われています。メントールは、オイル、スプレー、クリームの形で入手可能。

・ココナッツオイル

ココナッツオイルも、また冷やす性質に長けたもので、皮膚鎮静作用と抗菌作用があり、あせもの症状を和らげる効果が期待できます。

・きゅうりジュース

きゅうりを食べると体が冷えるのは古くから伝わる考え方ですが、新鮮なきゅうりジュースをあせもの気になる部位に塗ると、灼熱感が和らぐと言われています。また、きゅうりジュースは肌の血色を良くするとも言われていて、重症のあせもの治癒過程で生じることがある、皮膚上の跡の形成を防ぐ効果も期待できます。

・サンダルウッド

サンダルウッドは、アーユルヴェーダでは夏の熱のエネルギーに関連する皮膚疾患の治療に使用される最良のハーブの一つ。その冷却作用は皮膚を落ち着かせ、抗菌作用は既存の病変の感染を防ぐとも言われています。白または赤のサンダルウッドの粉末と水やローズウォーターで作ったペーストを塗ると、あせもに効果的と言われています。

・ニーム

抗菌作用に優れたニーム。新鮮なニームの葉をペースト状にしたものを塗ると、顔や体のあせもがすぐに治り、肌全体のコンディションも良くなると言われていて、スキンケアにも人気のアーユルヴェーダハーブの一つです。

・食事方法

きゅうり、瓜、セロリ、菱餅、カボチャ、豆類、サツマイモ、ニンジンなど、水分を多く含む野菜や果物を摂取するのが◎。そうすることで、体内の水分が十分に保たれ乾燥を防ぎます。また、ギーを食事に取り入れると、体のバランスが整うのでおすすめ。

また、酸味のある食べ物や、コショウ、シナモン、カルダモン、フェヌグリーク、クミン、マスタードなどの体温を上昇させるスパイスは避けるのは 

あせもを防ぐためにできること

・体温の上昇を防ぐために、水分をたくさん摂る。

・もともと暑がりな体質の人や、汗をかきやすい人は、風通しのよい涼しい場所で過ごす。

・直射日光を避ける。日差しが強い時間帯は屋内にいる。 

・運動中は、綿など汗を吸収しやすい素材を着用する。これらは肌にやさしく、汗がたまりにくいため、あせもになりにくい。

・運動後はすぐにシャワーを浴びる。毛穴の詰まりを防ぐため、週に2~3回、全身の角質をやさしく取り除く。 

・ノンコメドジェニック(白ニキビを発生させない)のスキンケア製品を使いましょう。

・ココナッツウォーター、バターミルク、キュウリジュース、ミントジュースなど、体を冷やす飲み物を飲む。 

・体内の熱を調整するアーユルヴェーダ推奨の食事を摂る。

軽度のあせもは簡単なセルフケアで自然に治癒が期待できますが、あせもに伴う他の症状があるかどうかを確認することをお忘れなく! 

また、赤ちゃんのあせもが発熱を伴う場合は、医師に相談することをお勧めします。大人のあせもは、化膿して膿が出るような場合は医師の診察が◎。また、あせもが頻発する場合は、体温調節障害などの内科的疾患の可能性があるため、医師に相談するのがおすすめです。

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AUTHOR

桑子麻衣子

桑子麻衣子

1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。



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