保存食のイメージが強いけど…賞味期限が切れたジャム、食べても大丈夫?管理栄養士が解説
保存食というイメージが強いジャム。 賞味期限が長い分、意外と期限内に食べ切れず、期限が切れたものを食べても大丈夫なのかと不安に思ったことがある方も多いのではないでしょうか? 今回は、賞味期限が切れたジャムの安全性と、安全に食べるための保存方法について管理栄養士目線で紹介していきたいと思います。
ジャムの賞味期限はどれぐらい?
一般的に販売されているジャムの賞味期限は、半年から2年と比較的長く、保存容器によって大きな違いがあります。
よく目にするビン詰めのジャムは、開けるまで空気と触れることがないため、2年近い賞味期限となっていることが多く、パックや小袋などに入ったものは、容器がわずかに空気を通すため、半年から1年程度の賞味期限となっていることが多いです。
賞味期限が切れたジャムは食べてもいい?
原則、賞味期限が切れた場合でも食べることは可能です。
ちなみに、食品の表示等を管轄している消費者庁は、「賞味期限が過ぎた場合であってもすぐに捨てるのではなく見た目やにおい等により五感で個別に食べられるか判断してください(Q&Aより一部抜粋)」と発表しています。
しかし、「賞味期限」ではなく「消費期限」が切れたものについてはどんな食品でも食べないようにしましょう。
賞味期限と消費期限の違い
賞味期限は、定められた方法で保存した場合において、すべての品質が十分に保持できる期限のことをいい、賞味期限が切れた後も味は落ちますが食品としての安全性はある程度確保されています。
そのため、期限が切れたからと言ってすぐに捨てる必要はなく、色やにおい等に問題がない場合は食べることができます。
逆に、消費期限は定められた方法で保存した場合において食品の安全性が保たれている期限のことで、期限を超えたら食品の安全性が低下するとされているため、消費期限を過ぎた食品は食べないようにしましょう。
ジャムの賞味期限が長い理由
ジャムは、果物に砂糖を加えて加熱し、濃縮したのち密閉容器に入れて出荷されるため、加熱による菌の殺菌、密閉による繁殖の抑制ができるため賞味期限が長い食品となっています。
また、糖分の多い環境では食中毒の原因となる細菌の繁殖が抑制されることも、賞味期限が長く設定される要因となっています。
賞味期限が切れたジャムの変化
においの変化
賞味期限が切れたジャムは、においが変化する可能性があります。
ジャムは本来、原料となっているフルーツや砂糖の甘い匂いが強いですが、賞味期限が切れ腐敗が進むと酸っぱい匂いや異臭がすることがあります。
菌の繁殖
賞味期限が切れたから時間が経っている場合や、誤った方法で保存した場合は、菌が繁殖していることがあります。
例えば、ジャムの中に綿のようなカビが生えている、青色や黒色に変色しているなどの異変が見受けられる場合は、菌が繁殖しているため食べないようにしましょう。
ジャムを腐らせずに保存するには?
開封したら冷蔵保存する
食品を腐らせる原因である細菌は、常温で最も繁殖が進むため、一度開封したら冷蔵庫で保管し菌の繁殖を抑制しましょう。
清潔なスプーンを使う
ジャムを腐らせる一番の原因は、汚れたスプーンや口をつけたスプーンでジャムに触れることによる細菌の繁殖です。
そのため、ジャムを取るときは清潔なスプーンを使うように気を付けましょう。
食卓にジャムを出す場合は、ジャム専用のスプーンを使用すると安心です。
開けっぱなしにしない
ジャムを開けたら、ふたは適宜閉めるようにしましょう。
ふたを開けたままにしておくと、大気中の細菌が混入し腐敗が進む可能性があります。
保存や触れるスプーンに気を付けていても、ジャムを開けっ放しにしておくとそれだけで大気中の細菌が入る可能性があるため意識的にふたを閉めるようにしましょう。
まとめ
ジャムは加熱処理や濃縮により菌の繁殖が起こりにくい食品ですが、保存方法や菌の付着に気を付けておかないと腐敗が進んでしまいます。
常温の食品だから大丈夫と思わず、今回紹介したポイントを意識して美味しいジャムの味をキープしてみてください。
AUTHOR
中村友也
フリーランス管理栄養士。 私立大学の管理栄養士養成課程を卒業後、新卒で高度急性病院で栄養管理、栄養指導に従事。栄養指導件数は300件以上。その後独立しフリーランスへ。 現在は管理栄養士としての知識や経験を活かし、ライターとして健康、栄養ジャンルの記事を執筆。 また、自身の体験を元にしたブログの運営やコミュニティの代表も務めている。
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