うつ病の20%が双極性障害?双極性障害になりやすい人の特徴とは?精神科医が解説

 うつ病の20%が双極性障害?双極性障害になりやすい人の特徴とは?精神科医が解説
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豊田早苗
豊田早苗
2023-05-23

専門医でも見分けるのが非常に難しいとされているうつ病と双極性障害。うつ病の20%は、双極性障害?とも言われています。双極性障害とはどんな疾患なのでしょうか?また、うつ病と間違われるのは何故なのでしょうか?双極性障害になりやすい人の特徴とともに、この疾患について解説していきます。

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うつ病の20%は、双極性障害?

うつ病と双極性障害は、専門医でも見分けるのが非常に難しく、間違ってうつ病と診断されるケースも多く、実際、うつ病と診断された方のうち20%は、双極性障害とも言われています。

うつ病と双極性障害は、全く別の病気であるにもかかわらず、何故、間違って診断されてしまうのでしょうか?

双極性障害
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双極性障害は、その名前の通り、そう状態(気分が高揚し、行動が活発になる期間)と抑うつ状態(気分が落ち込み、やる気が出ない期間)の両方があり、交互に繰り返すのが特徴です。

ですが、一般的に、そう状態の期間よりも抑うつ状態の期間の方が圧倒的に長く、本人も自覚しやすいため、抑うつ状態を訴えて病院を受診するケースが多いためです。

また、そう状態と言っても、程度は人によって違い、少しいつもより気分がハイなだけ、しかも、4〜5日だけ等、そう状態の程度が軽く、期間も短いケースでは、単に調子が良いだけと思ってしまったり、そう状態があることに気がつかないこともあります。

こんな人は、要注意!双極性障害になりやすい人の特徴

真面目で几帳面、責任感の強い人がうつ病になりやすいと言われているように、双極性障害にもなりやすいと言われる性格があります。

具体的には、「社交的で人付き合いが好きな人」「エネルギッシュで活動的な人」「陽気でお喋り好きな人」「情熱的で熱中しやすい人」であり、かつ、「他人からの評価を常に気にする人」が双極性障害になりやすいと言われいます。

双極性障害で見られるエネルギー枯渇症状

双極性障害では、本人が気づいていなくても、そう状態が必ずあり、その後に、抑うつ状態が起こっています。

そして、自分も周囲も気がつかない程度の軽いそう状態であったとしても、そう状態の時は、非常に沢山の活動エネルギーを消費しています。

この必要以上に活動エネルギーを消費してしまうことが、双極性障害で抑うつ症状が出る原因です。

つまり、エネルギー消費が多すぎて産生が間に合わず枯渇し、抑うつ症状が現れるのです。

ですので、双極性障害の抑うつ状態では、「体が鉛のように重く動かない」「眠くて仕方ない」などのエネルギー枯渇による症状が出やすいです。

また、そう状態の自分が本当の自分と認識していることケースが多く、抑うつ状態の自分に対して非常に強い自己否定感が生じるのも特徴です。

うつ病と診断されていても「体が鉛のように重い」「眠くて仕方なく、ほとんど1日中寝ている」「本来の自分はこうではない。今の自分はイヤで仕方ない」などの症状がある場合は、抑うつ状態に陥ってない時に次のような状態がないかチェックして見てください。

もし、当てはまるかもという症状がある場合は、主治医に相談してみましょう。

そう状態チェックリスト

  • 眠らなくても平気な気がする時がある
  • 仕事や家事育児がいつもより大変だったのに、あまり疲れてない事がある
  • 何でもできそうな気がする時がある
  • 気持ちが落ち着かず、ソワソワしやすい
  • 「今日は、よく喋るね」と言われたことがある
  • 無駄使いすることが多い

まとめ

うつ病と双極性障害は、区別が難しい病気ではありますが、全く同じではなく、症状をよく観察することで見分けることができます。

うつ病と双極性障害は、治療が異なるため、本当は双極性障害であるのにうつ病の治療を受けていては、治るものも治りません。

精神科や心療内科で扱う心の病気は、内科や外科が扱う病気と違って検査すれば、病気がわかるという具合にはいかず、診断には患者さんの協力が必要不可欠です。

「全てを話しにくい」「何を話せばいいか分からない」「話せば薬を増やされる」等、患者さん側の事情もあるとは思いますが、今回の記事を読まれて、「もしかして、自分はうつ病ではなく双極性障害かも?」と思われた方は、思い切って主治医の先生に相談してみませんか?

前に進もうとする勇気は、心の病気を治す手助けとなってくれるはずです。

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豊田早苗

豊田早苗

鳥取大学医学部医学科卒業後、総合診療医としての研修及び実地勤務を経て、2006年に「とよだクリニック」を開業。2014年には「とよだクリニック認知症予防・リハビリセンター」を開設。「病気を診るのではなく、人を診る」を診療理念に、インフォームド・コンセントのスペシャリストと言われる総合診療医として勤務した経験を活かした問診技術で、患者さん1人1人の特性、症状を把握し、大学病院教授から絶妙と評される薬の選択、投与量の調節で、マニュアル通りではないオーダーメイド医療を行う。精神療法、とくに認知行動療法を得意とし、薬を使わない治療も行っている。



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