手や脇、頭の汗が止まらない…これって多汗症?皮膚科医が解説「多汗症」の見分け方と予防策【Q&A】

 手や脇、頭の汗が止まらない…これって多汗症?皮膚科医が解説「多汗症」の見分け方と予防策【Q&A】

「汗が止まらない」「ワキ以外にも、手や頭に汗をたくさんかく」…など、汗によって日常生活に支障をきたしたしている人もいるのでは?それでは、汗かきと多汗症の違いとは何なのでしょうか?見分け方と効果的な予防策について、渋谷スクランブル皮膚科の皮膚科医・下方征先生にQ&A形式で解説してもらいました。

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Q.多汗症とはどのような症状?普通の汗かきとの違いは?

日常生活で困るほどの多くの汗をかくのが、多汗症です。それほど暑くない環境でも汗が多くで出るのも特徴です。汗が多く、人と対面するのが億劫である、何度も服を着替えなければならないなど、生活に支障がでている場合は多汗症と診断されます。

Q.多汗症の見分け方は?セルフチェック項目はある?

まずは症状が一時的なものではなく、6ヵ月以上続いていることを確認します。その他に、

1)最初に症状が出たのが25歳以下であること
2)対称性に発汗がみられること
3)睡眠中は発汗が止まっていること
4)1週間に1回以上多汗のエピソードがある
5)家族歴がある
6)それらによって日常生活に支障を来たす

上記のうち2つ以上当てはまると多汗症と診断されます。

Q.発症しやすい年代はあるの?

部位により症状の発症時期は異なっていて、手のひらの多汗症は幼少時期や小学生・中学生の頃から症状が徐々にでます。わきは思春期になってから、頭部や顔面は社会人になってから多く見られます。

多汗症
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Q.日常生活でどのような予防と対策ができる?

交感神経が優位になると汗をかきやすい状態になります。辛い物や酸味のあるものなど刺激の強い食べ物やカフェインなどが入ったものを避ける、生活習慣を整えストレスを解消することも大切です。顔などであればこまめに拭き取ったり、手足やワキなどはミョウバンなど毛穴を引き締めて汗の量を抑える成分が入った制汗剤などを活用することもおすすめです。

ミョウバン
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Q.他の病気を合併して起きている場合もある?その場合、見分け方は?

全身に異常な発汗がみられる場合や、左右の片側のみで汗をたくさんかく場合には、他の病気により汗が多くでている場合があります。皮膚科を受診することをお勧めします。

Q.改善しない場合、どのような治療方法があるの?

顔と手に関しては一般的には塩化アルミニウム溶液という外用液を毎日塗布する方法があります。また自費治療になりますが、汗を抑える注射薬による治療もあります。汗をかく部位に注射することで、発汗を抑えることができます。持続期間は人により異なりますが、1回の施術で効果が4か月間~6ヶ月程度持続します。脇に関しては、上述の他に保険診療で処方可能な外用薬があります。毎日外用することで、発汗を抑えます。お近くの皮膚科にご相談ください。

注射
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教えてくれたのは…下方 征(しもかた ただし)先生

医師

渋谷スクランブル皮膚科 院長。2004年名古屋市立大学医学部卒業。東京医科大学病院皮膚科勤務を経て2021年に渋谷スクランブル皮膚科を開業。複数の皮膚科専門医による総合的な皮膚の診療を行う。汗の悩みに関する治療経験多数。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。労働衛生コンサルタント。HP:https://shibuyaderm.com/

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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