【脱マスクびんかん鼻】で他人の臭いが気になる人増加中!?専門医が解説「汗がニオう原因と対策」
コロナ禍が落ち着きはじめた「アフターコロナ」の時代。打ち合わせや接待など、ビジネスシーンにおいても直接顔を合わせ、さらにマスクを外すという場面も増えるでしょう。今まで以上に気を付けたい「汗・ニオイ」ケアについて、渋谷スクランブル皮膚科の皮膚科医・下方征先生に解説してもらいました。
自分のニオイよりも他人のニオイが気になるように
人気制汗剤デオドラントブランド「デオナチュレ」を扱う「シービック」が、20代から50代の男女287人を対象に「脱マスクによるニオイ意識」について調査した結果によると、コロナ禍に比べて「自分のニオイが気になるようになった」と回答した人は約2人に1人と、コロナ禍よりも約15%増加。さらに「他人のニオイが気になるようになった人」も約2人に1人、コロナ禍よりも25%増加しています。
自分より他人のニオイの方が気づきやすいことが明らかになりました。また、アンケートではコロナ禍に入り制汗剤の使用が約3割減少していることも判明。外出頻度が増え、世の中が脱マスクに向かうことで、ケアできていないニオイが同僚や友人に気づかれているかもしれません。
ニオイは根源から
「コロナ禍で運動不足や汗をかかない状態が続くと、汗腺の機能は鈍くなります。機能が衰えた汗腺は、ミネラルやアンモニアなど『ニオイ成分』が多い汗を出します。さらに身体から出る皮脂や垢がニオイ成分の強い汗と混じり合い、皮膚の常在菌が分解、もしくはそれらが酸化することでニオイが発生します。また、皮膚の表面がアルカリ性に変わることで常在菌が繁殖しやすくなり、ニオイの発生原因となります」と下方先生は話します。
根本の原因である汗に対処せず、香料のついたスプレーやシートで対処するだけでは、ニオイを抑えることはできません。汗自体を抑え、雑菌の繁殖を予防することが必要です。
専門医が解説! 汗がニオう原因一問一答
Q ワキがニオうのはどういう人?→ A.アポクリン腺が発達している人
「年齢・性別にかかわらずどんな人にもワキのニオイがありますが、ニオイの強弱は人によります。汗腺のひとつ「アポクリン腺」が発達している人の場合、ワキのニオイはより強くなります。アポクリン腺から出る汗にはタンパク質、糖質、脂肪酸、アンモニアなどが含まれており、皮膚にいる細菌によってそれらの物質が分解されることで、ニオイの原因物質が生まれます。なにもケアをせず、汗をたくさんかいたあとに放置してしまうと、アポクリン腺が発達していない人でもニオイは生まれます」
Q 汗がにおう?→ A.いいえ、汗自体はもともと無臭です
「実は、汗自体はもともと無臭です。ところが、汗が汗腺から皮膚の表面に出てきた際、皮膚の表面や毛穴の中にいる雑菌と混じり合うことでニオイが発生します。身体の中でも特に足がニオいやすいのは、足に汗腺がたくさんあるうえに、靴の中は雑菌が発生しやすいためです」
Q 汗に種類があるって本当?→ A.はい、汗には2種類あります
「身体から出る汗の種類は2種類あり、含まれる成分もそれぞれ異なります。全身に張り巡らされた「エクリン腺」から出る汗は、運動した時に出るような比較的さらっとしたもので、ワキや頭皮など全身から出る汗です。一方、「アポクリン腺」はワキや胸、脚の付け根と限られたところから出る汗です。脂質をもとに作られ、少しベタベタしているところが特徴的です」
Q 部位によって汗をかく順番が違う?→ A.はい、ワキとおでこは特に体温変化に敏感です
「ワキとおでこは体温の変化に敏感なため、夏場や熱を出した際など、まだ体温がそこまで上がっていないときから汗をかき始めます。一方で頭や背中は、体温が上がり始めたタイミングで大量の汗を出します」
Q 簡単に汗を抑えるには?→ A.制汗剤も効果的です
「自分で簡単に汗を抑えるには制汗剤の使用もおすすめです。制汗剤は細菌や雑菌の増殖を減らす働きがあるため、活用することをおすすめします。また、ミョウバンには皮膚や血管を収縮させる働きもあるので、汗の量をセーブし、ニオイの根源である汗を抑えることにもつながります。そういった効果から選ぶのもいいでしょう」
教えてくれたのは…下方 征(しもかた ただし)先生
渋谷スクランブル皮膚科 院長。2004年名古屋市立大学医学部卒業。東京医科大学病院皮膚科勤務を経て2021年に渋谷スクランブル皮膚科を開業。複数の皮膚科専門医による総合的な皮膚の診療を行う。汗の悩みに関する治療経験多数。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。労働衛生コンサルタント。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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