肉だけでなくシーフードも!シンガポール発フードイベントでプラントベースフードに注目が集まった理由
シンガポールにおけるアジア最大のフードエキシビジョン「FHA (Food&HotelAsia)」は、主要なフードメーカーと新興ブランドが一堂に会する年に一度のイベント。世界有数のサプライヤーが一堂に集まるこの場で、フード業界関係者は食のトレンドやソリューション、食品・飲料製造のための最先端技術などを体験することができます。そこで最も注目されていた食品とは?
シンガポールが注力し続ける「プラントベースミート」
「FHA(Food&HotelAsia)」に数多く出店するブースの中で、昨年同様、一番注目をされていたのがプラントベースの企業が集まるエリアです。プラントベース(植物由来)には、肉だけでなくシーフードもあります。ちなみに、プラントベース・ミートの世界市場の規模は2025年には212億ドル (成長率78%)になると言われ、数年前から世界中のフード業界が注目をしているマーケットです。
現在、シンガポールでは植物由来のプラントベース・ミートの普及が盛んで、カフェなどカジュアルな場所でもよく提供されています。その背景には世界中の食肉の需要の高まりと、食肉の飼育によって消費されていく地球環境資源を問題視している点が挙げられます。国連の報告書では、地球の環境のために肉の消費量を大幅に減らすよう呼びかけていますが、実際には多くの国で食肉の需要が伸び続けているのが現状です。シンガポールは健康意識の高い層が厚く、タンパク質を植物から摂るスタイルに切り替える人が増えつつあります。
シンガポールは、食品のほとんどを輸入に頼っており、2030年までに国内食料自給率を現在の10%ほどから30%にあげる、「30 by 30(サーティー・バイ・サーティー)」政策を掲げています。環境資源を消費することなく動物の屠殺を避けることもできる「クリーンミート(室内で培養する肉)」の生産についても最先端の研究が進んでいます。
常に新しいアイデアを取り入れ、市場に繋げるのがシンガポールの特徴のひとつと言えるかもしれません。
AUTHOR
栗尾モカ
記者・漫画家。新卒で航空会社に就職。退社後、出版社に入り多くの企画に携わる。「ダ・ヴィンチ」で漫画家デビュー後、朝日新聞の社会見学連載、「TVタックル」モバイルサイトインタビュー、女性誌「STORY」の海外・美容取材など数多くの連載を担当。女性のウェルネスをテーマにしたコミックエッセイは、取材の経験がニュースソースになっている。シンガポールのメディアに再就職した際、締切と子育てに追われる中でインド・バンガロールにあるヨガ研究大学(Swami Vivekananda Yoga Anusandhana Samsthana / S-VYASA)により考案されたヨガインストラクター認定プログラムに出逢い、資格を取得。伝統的なヨガ哲学や、心身を癒すメソッドを学び始める。著書に「サロン・ド・勝負」「おしゃれレスキュー帳」(KADOKAWA)「女のネタ帖」(学研)などがある。
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